2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780215
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小檜山 篤志 北里大学, 水産学部, 准教授 (60337988)
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Keywords | Alexandrium tamarense / 増殖 / 珪藻 / 競合 |
Research Abstract |
渦鞭毛藻Alexandrium tamarenseのAtCRPにつき,全翻訳領域を含むcDNAのクローニングを試みた.その結果,AtCRPには選択的スプライシングで生じる3つの長さの異なるmRNAが存在する可能性が考えられた.次に,AtCRPが分泌タンパク質か否かを確認するためにウェスタンブロット解析を行った結果,培養上清中の成分でもシグナルが確認出来た.したがって,AtCRPは分泌タンパク質である可能性が強く考えられた.また,AtCRP組換え体を酵母Kluyveromyces lactisで高効率に発現させるため,コドンの最適化を行って組換え体を作製した.作製したAtCRP組換え体をA. tamarenseに添加した結果,非添加のものと比較して連鎖細胞数が減少する傾向が認められた. A. tamarenseと他の微細藻類との競合について調べるために,大船渡湾より複数の珪藻を単離してA. tamarenseとの共培養を行い,増殖の阻害を調べた.その結果,一種のみでA. tamarenseの増殖阻害作用を確認出来た.そこで,本種のrDNAの塩基配列を用いた同定を試みた.その結果,Chaetoceros didymusの近縁種であることが示された.本珪藻種のA. tamarenseへの阻害に関して調べた結果,培養上清では作用が認められず,細胞を混在させた場合のみにおいて増殖の阻害が確認された.そこで次に,細胞抽出物による阻害を調べた.その結果,本珪藻種より抽出した水溶性タンパク質を添加した場合では阻害作用は認められなかったものの,細胞の被殻あるいは膜タンパク質を添加した際にA. tamarenseの阻害が確認できた.したがって,本珪藻種のA. tamarenseの増殖阻害成分は,細胞膜上に存在し,接触することによって作用するものと推測された.
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Research Products
(2 results)