2013 Fiscal Year Annual Research Report
農村ツーリズムによる農村経済多角化に関する地域間比較分析
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23780221
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
霜浦 森平 千葉大学, 園芸学研究科, 助教 (40372354)
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Keywords | 農業地域計画 / 農村ツーリズム / 農村経済多角化 / 国際比較 / アイルランド |
Research Abstract |
本研究では、日本とアイルランドの国際比較分析を通して、農村ツーリズムによる農村経済多角化の課題と方向性を解明することを目的としている。平成23年には既存研究や関連分野の文献を検討し、各論研究を行なうための分析フレームワークの構築を行なった。次に、各論研究として、(1)農村ツーリズムによる農村経済多角化の前提条件に関する調査(平成23~24年度度)、(2)農村ツーリズムの需要/供給に関する調査(平成24~25年度)を行なってきた。 本年度は、特に(2)農村ツーリズムの需要/供給に関する調査として、弘前市りんご公園の顧客特性に関する調査・研究を行なった。この調査・研究では、りんご公園の訪問客へのアンケート調査結果から、フルーツ公園を利用した都市住民との農村交流の現状について考察した。分析の結果、次の諸点について明らかになった。まず、りんご公園の来客の6 割はリピーターであり、りんご公園だけに訪問する来客は弘前市民であった。そして、りんご公園に来訪する多くの市民は長時間滞在し、園内施設を楽しんでいた。市民が利用する施設はピクニック広場やふれあい広場であり、子どもを連れた家族連れが多かった。逆に、弘前市民以外の都市住民は、市内の観光地や施設を訪問していた。市民以外の観光客が利用する施設は、園内のリンゴ園であり、多くの観光客がリンゴの収穫を楽しんでいた。りんご公園へ来訪した女性は、リピーターになりやすく、かつ観光や買い物といった訪問の目的意識が明確であった。同公園は地域住民が活用するだけでなく、都市住民の癒しの場となり、都市と農村の交流に重要な役割を果たしていた。
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