2012 Fiscal Year Research-status Report
過疎と荒廃人工林の条件 社会ネットワーク分析を利用した社会関係資本論アプローチ
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23780228
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
片野 洋平 鳥取大学, 農学部, 助教 (00407347)
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Keywords | 過疎問題 / 社会政策 / 環境問題 / 社会ネットワーク分析 |
Research Abstract |
23年度から2年間の助成をいただいているが、23年度後半から、体調不良となり、手術等行ってきため、基本的には24年度中は療養していた。申請を延長させていたき、24年度中に行う予定の研究を25年度に行う予定である。24年度は基本的に療養していたが、いくつかの成果を出すことが可能となった。以下にその成果について述べる。 基礎調査の成果について本研究では、社会ネットワーク分析を進める準備段階として、集落への聞き取り調査を行うことになってた。また、調査対象地の実態把握を行うことになっていた。24年度は、本研究の対象地である日南町の「町史」などを入手し、文献解題を行った。また、過去の先行研究を渉猟した。 また、自治体、森林組合との打ち合わせとして、本研究は、調査を戦略的に進めるため、申請者の勤務地における過疎を中心に考察することとした。その際、本研究では、鳥取県内の代表的過疎地域である、県西側の日南町、県東側の若桜町、加えて中央部の三朝町を取り上げることとしていた。24年度は、日南町の様々な課の方々と交流し、ネットワークを構築してきた。さらに、県庁担当課とも交流し、25年度の円滑な研究を遂行するため準備を行った。 集落調査の実施として、本研究では、基礎的なものではあるが、日南町の集落に対し、インタビュー調査を行ってきた。本成果は24年度中にいくつかの学会で報告することが可能となった。以上の集落調査は、25年度の研究に反映する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
すでに示したように、23年度の治療により、研究の進度は遅れている。しかしながら、24年度中盤以降から、次第に体力が回復してきたため、調査研究を行ってきた。その成果は、学会報告や、論文として提出することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
以下では25年度の調査推進方策について述べる。 調査査対象者は、日南町、若桜町、三朝町居住者のうち、森林を所有する者で、現在か過去に農林業従事者であった者としてきた。しかし、同じ中山間の市町村を比較しても得られる知見が少ない可能性があるため、25年度は、山頂市町村としての日南町、中腹市町村としての南部町、平野部の市町村としての米子市を対象として調査を行うことを考えている。調査対象者は全数調査を予定していたが、日南町を除いては、全数調査ではなくさサンプリングを行い郵送による調査を行う。 聞き取り調査データ、社会調査データを社会ネットワーク分析法により分析する。人工林の管理に際しては、社会ネットワーク分析のうち、Whole Network とEgo-Centerd Networkを用いる予定である。前者は、集落間(集落外間)の人工林に対する知識、相談相手、所属する組織、遊び・飲み相手、話し相手などのネットワークを導くことができる。後者は、ある零細所有林が森林のことを考慮するとき、どのようなネットワークを使うのかを確かめることができる。同時に回帰分析の手法(ロジスティック回帰分析)を用いて、人工林の管理に対する社会関係資本の影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度後半から入院療養のため25年度使用額(945859円)が発生した。 25年度使用額の使途のうち大きなものは以下の3つである。 第一に、郵送による調査を行うため、切手代、封筒代、アルバイト謝金として助成金を使用させていただく予定である。また、適宜、上記の調査を遂行するために必要な資料、消耗品を購入する予定である。 第二に、調査対象地への移動のために交通費を使用させていただく予定である。 第三に、学会や有識者との打ち合わせのために交通費を使用させていただく予定である。
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Research Products
(5 results)