2011 Fiscal Year Research-status Report
農村女性起業の日本型社会的企業としての役割と成立条件に関する実証的研究
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23780239
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
澤野 久美 明治大学, 研究・知財戦略機構, ポスト・ドクター (10445851)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 農村女性起業 / 農村女性問題 / 社会的企業 / 地域活性化 / 地域貢献 |
Research Abstract |
本研究では、社会的企業として捉えうる段階になった農村女性起業を、(1)個人(農村女性)レベル、(2)組織レベル、(3)地域レベル(「農業」と「農村生活」)という3視点から総合的に、かつ、実証的に分析しながら、農村女性起業が社会的企業として果たす役割や成立条件、課題等を実証的に検討するものである。平成23年度は、(1)個人レベルの視点として、農村女性起業に従事する女性たちに対して対面式あるいは郵送式アンケートを実施し、(ア)「活動当初の参加意識・目的」と「現在の活動に対する満足度」を明らかにし、女性本人の意識を把握・・・農村女性問題の変容、活動の継続性・世代交代を可能にする条件把握(イ)起業活動従事者の家族の意識の変化を把握・・・イエ内部での課題克服のプロセスの2つの課題を解明することを課題として掲げた。その結果、活動内容については、都市農村交流や福祉などに取り組むようになることで、地域の課題を解決しようと農村女性たちは試みていた。そして、活動の立ち上げ期から参加している第1世代と、途中から参加した第2世代とでは、活動当初の参加意識や目的については、世代間の相違が見られたが、活動に従事していくことで、現在の満足度については数値が近似していた。また、地域活性化や地域への貢献といった、地域に対する意識も向上していた。ただし、第2世代は、起業活動を就労の場として捉えており、就業条件や社会保障などの整備がなされていなければ、今後の活動継続は困難であることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響や個人情報保護の観点から現地調査の実施が困難だった箇所もあったが、一定程度のデータを収集することができた。その結果は、『社会的企業をめざす農村女性たち』で提示した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も現地調査を積極的に行い、実態把握をもとに、分析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現地調査を行うための旅費に、最も多くの支出を予定している。
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Research Products
(1 results)