2011 Fiscal Year Research-status Report
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23780240
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
栗田 匡相 関西学院大学, 経済学部, 助教 (60507896)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ASEAN / ベトナム / カンボジア / タイ / 貧困削減 / 農村開発 / 労働移動 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は大別すると2つに分けることができる。まず一つ目の研究成果だが、ベトナムでの2度にわたる農村調査を行ったことである。北部のホアビン省、南部のベンチェ省で6ヶ村、120世帯、500名以上のデータを収集した。現時点では、このデータを集計し、分析を進めている最中である。Preliminaryな分析ではあるが、伝統的な農業、生活のスタイルを保持した北部の村々では、貧困脱却の鍵といわれる労働移動が家計所得に与える影響は限定的であったことが観察できた。一方、エビ養殖など農業の多様化や非農業就業の機会が相対的に豊富な南部では、世帯所得への労働移動の効果はおおむねプラスに働いていると考えられる。ただし、これらは限定的な結果であり、2013年度、ないしは2014年度に計画している追跡調査を行うことで、ベトナム農村における労働移動の意義をより精緻で説得的に展開できると考えている。 二つ目の研究成果は、ベトナム統計局から購入した世帯調査データによる分析の進展である。購入した家計調査データ(Vietnan household living standard survey)には、家計や世帯員の属性といった基礎的な情報のみならず、送金の有無などの情報もある。また連続する2002年、2004年、2006年のデータの一部はパネルデータ化することも可能であり、こうしたデータの特性を活かし、移動と農村における貧困改善のミクロ計量分析にとりくんでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
農村調査の実施という点では、2点ほど大きな進展があり、その意味では当初の予定よりも速いスピードで研究が進められていると考えられる。一点目は、2カ年目より行う予定であったベトナムでの農村調査が、初年度の2011年度から行うことができたことである。二点目は、収集されたデータの規模である。当初の予定よりも大幅に多い120世帯ものデータを収集できたことも今後の研究の進展という意味では大変大きな意味があった。また、一方でベトナム、カンボジアの県別パネルデータの構築も入力作業が順調に進んでいる。2012年度に予定しているカンボジアの農村調査(カンボジア中部のコンポントム州で実施する予定)も現地のカウンターパートが決定し、また通訳や宿の確保といった実施に向けた準備も着々と進んでいる。こうした現状から、計画通りに研究が遂行されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、1.論文執筆、2.農村調査実施、の2点について簡潔に述べたい。1点目の論文執筆については、第一回目のカンボジア調査が終わり、ベトナム、カンボジアの県別パネルデータなどが完成する平成24年度後期から実質的に始められる。こうした分析を始めるにあたり、空間計量経済学に関する高度な知見、技能の習得などが必要となる。これらについては海外のSummer Schoolなどを柔軟に活用しつつ、より高度な次元の分析を行えるよう善処する。2点目の農村調査実施についてであるが、平成24年度以降、カンボジアが2回、ベトナムが1回の調査を予定しており、それらを滞りなく実施していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度(平成24年度)については、使用していたデスクトップパソコン(2009年購入)の不具合のため、新たにデスクトップのPCを購入するほか、カンボジア調査にかかる経費、並びに海外での研究報告、勉強会・Summer Schoolへの参加などに研究費の大半を使用することになる。
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Research Products
(1 results)