2011 Fiscal Year Research-status Report
ゴム履帯張力を利用したハーフトラックの姿勢安定法に関する研究
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23780256
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福島 崇志 三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (00452227)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハーフトラック / ゴム履帯 / 履帯張力 / CAE / MBD / AVRマイコン / ジャイロ / 6自由度運動 |
Research Abstract |
車両の姿勢安定は,精密農業におけるセンシング技術向上に加え,農作業精度向上にも寄与する重要な農用車両性能である.農用トラクタにおいては,路面の凹凸にダイレクトに応答する車輪式に比べ,揺動機構を備える履帯走行装置は,路面への追従性が良い.本研究では,揺動式ゴム履帯走行装置を備えるハーフトラックの走行時の姿勢安定の向上を目指し,履帯走行部の動特性を把握しうる理論構築を目指した.本年度は,ハーフトラックのシミュレーションモデルの構築と同時に,実際の車両における姿勢計測をするために,簡易な加速度・ジャイロセンサユニットを作成した.シミュレーションモデルでは,履帯周方向の張力変動を評価できるモデリングを行い,その張力変動が車体姿勢にどのように影響するかを検討した.これにより,ゴム履帯設計における重要な資料提供を行うと同時にハーフトラックにおけるゴム履帯張力が如何に車体姿勢に影響を及ぼすかを検討し設計開発に貴重な資料を提供できる.また,姿勢評価に関しては,小型で安価なセンサユニットを製作し,車体重心位置を基準とした6自由度の独立計測を可能とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,揺動履帯走行装置を有するハーフトラックの姿勢安定のための理論構築を行うものである.現段階までに,解析モデルの基礎的なものが構築されたのと同時に,車体の姿勢を把握するためのセンサユニットを製作した.モデルに関しては,各種パラメータの設定のための計測実験を行う必要がある.これは今後の研究計画にあたる.センサユニットに関しては,後のシミュレーション検証用に準備したものであり,今後の展開が順調に行える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに,シミュレーションに用いるパラメータの計測および推定を行う.従前の研究において,転動輪下のゴム履帯圧縮変位量から動バネ定数・粘性減衰係数が測定されている.しかしながら,ゴム履帯周方向の粘弾性パラメータを測定した事例がない.本研究では,これらのパラメータは必須である.そこで,ゴム履帯周方向のパラメータ測定を実施する.測定対象は,水田仕様に一般的に用いられる千鳥型ラグ配置のゴム履帯を対象に,加振実験,引張試験にて計測を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度における研究費は,おもにモデルパラメータ測定用の物品費に充てられる.また,解析ソフトウェアのメンテナンス費および成果発表費がおもな支出になる.
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Research Products
(1 results)