2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゴム履帯張力を利用したハーフトラックの姿勢安定法に関する研究
Project/Area Number |
23780256
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
福島 崇志 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (00452227)
|
Keywords | ゴム履帯 / ハーフトラック / 履帯張力 / CAD/CAE / 走行性 |
Research Abstract |
車両の姿勢安定は,精密農業におけるセンシング技術向上に加え,農作業精度向上にも寄与する重要な農用車両性能である.農用トラクタにおいては,路面の凹凸にダイレクトに応答する車輪式に比べ,揺動機構を備える履帯走行装置は,路面への追従性が良い.本研究では,揺動式ゴム履帯走行装置を備えるハーフトラックの走行時の姿勢安定の向上を目指し,履帯走行部の動特性を把握しうる理論構築を目指した. 最終年度においては,ゴム履帯長手方向の弾性パラメータ取得のため,万能試験機を用いた引張試験を実施した.しかしながら,高荷重状態での引張試験であるためゴム履帯把持が困難を伴い,低荷重域でのパラメータ取得にとどまり満足のいく結果は得られていない.一方,CAD/CAEシミュレーションにおいては,独自に提案したゴム履帯モデルを見直し,今までに表現が不十分であったゴム履帯のせん断方向の特性を考慮しうる新たなCAE履帯モデルを提案した.本モデルにより単にゴム履帯の引張力評価にとどまらず,走行時の履帯振動や巻き掛け力の評価などより現実に即したモデルシミュレーションが可能となり,履帯車両の総合的な運動解析が期待できる. 本研究は,研究実施期間を通して,揺動式履帯走行装置を備えるハーフトラックを対象にその特徴的機構から履帯張力変動が車両の走行性に影響することを理論的に明らかにした.さらに履帯周方向の張力変動に加え,せん断方向の力学特性も考慮した履帯モデルを提案したことで,ハーフトラックのみならずゴム履帯車両全般においてより現実に即した走行シミュレーションを通し車両設計指針や改善策を提案できるものと考える.
|