2012 Fiscal Year Annual Research Report
精密放牧管理のための低高度リモートセンシング技術の開発
Project/Area Number |
23780266
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川村 健介 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (90523746)
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Keywords | 放牧管理 / 低高度リモートセンシング / 空撮 / 精密放牧 / 草地生態学 / 草資源量 / 画像処理 |
Research Abstract |
飼料生産の場としての草地および放牧地において,その保全と持続的利用のためには,時々刻々と変化する草資源量と牧草栄養価(飼料成分)を広域的かつ定量的に把握する草地診断技術と広大な放牧地に放たれた家畜がどの場所でどれくらい草を食べ,糞尿を排出しているのかを詳細かつリアルタイム観測が可能な新しい技術の開発が求められる。本研究では,放牧草地内の草-家畜の面的な空間分布を最適化し,「生産性の向上」と「持続的利用」の両立を可能とする新しい放牧システム(精密放牧システム)の構築を目指して,これまでに主に地上レベルで開発した分光リモートセンシング技術を応用・発展させ,圃場内における牧草の面的な変動をリアルタイムで観測可能なラジコンヘリ搭載分光カメラ観測システムの開発を目的としている。 可視と近赤外領域の画像を取得可能なカメラを搭載した気球およびラジコン飛行機の空撮画像から,放牧地の草量と草質(粗タンパク質)について,精密(高分解能,約15 cm)な分布図を作成した。これらの高分解能画像情報から,放牧地における牧草の空間的なパッチのばらつきの評価のために最適な空間解像度は9-15mで,牧草の生育期間および刈取り等の影響によって変動することが示された。並行してGPSと各種センサを取りつけた家畜の空間的な利用パターンと組み合わせた結果から,特に牧草のCPが家畜の採食に利用する場所の選択に影響していることが示された。
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