2013 Fiscal Year Annual Research Report
免疫学的・栄養学的要因から提案するわが国の養豚生産システムに適した離乳時期
Project/Area Number |
23780269
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
塚原 隆充 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 研究員 (90562091)
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Keywords | 離乳 / 豚 / 消化管 / 短鎖脂肪酸 / アミノ酸 / 発達 / 腸内細菌 / 栄養 |
Research Abstract |
本年度は,ほ乳から離乳にかけてのエネルギー及び栄養吸収を検討した。そのためほ乳期仔豚及び離乳仔豚の小腸静脈,盲腸静脈,門脈,末梢血中の短鎖脂肪酸(SCFA)濃度及びアミノ酸濃度を測定した。小腸及び盲腸内容物中のSCFA濃度もあわせて測定した。 52頭のWLD三元交雑種仔豚を用いた。母乳のみを摂取させた7,14,21,及び28日齢の仔豚をそれぞれ4~6頭ずつ解剖し,残りの仔豚は14,21,又は28日齢で離乳させた後7又は14日後に解剖した。上記血液及び腸管内容物を採取した。血中SCFA濃度は前年度までに開発した方法(Tsukahara et al. 2014)で,血中アミノ酸濃度はErwanら(2013)の方法を用いて解析を行った。 その結果,SCFA濃度は,ほ乳仔豚間の比較では7日齢から成長に従って腸管内SCFA濃度は顕著に増加したが,血中SCFA濃度に変化は認められなかった。離乳させることで腸管内SCFA濃度は低下したが,逆に血中SCFA濃度は高値を示すようになった。この時,SCFAの主な吸収部位である大腸陰窩は14日齢離乳では顕著は発達は認められなかった。血中アミノ酸濃度は,ほ乳中は顕著な変化は認められなかったが,離乳によって多くのアミノ酸濃度が変化した。とくに早期(14日齢)に離乳させることでL-バリン, L-メチオニン,L-トリプトファン,L-アラニンなどが他の離乳日仔豚と比較して特徴的な動態を示した。 以上などの結果から,栄養学,免疫学,遺伝学及び病理学的な観点を総合して最適な離乳時期を考察したところ,少なくとも21日齢以上,出来れば28日齢迄哺乳させることが産仔にとって好ましいと考えられた。
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Research Products
(4 results)