2012 Fiscal Year Research-status Report
日本在来馬の動物介在活動・療法・教育への利活用に関する研究
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23780270
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
松浦 晶央 北里大学, 獣医学部, 講師 (50406899)
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Keywords | 日本在来馬 / 動物介在活動 / 動物介在療法 / 画像解析 / 最大許容負荷重量 / 乗用馬 / ストレス |
Research Abstract |
日本在来馬8品種のうちのひとつである木曽馬の最大許容負荷重量を把握するための測定を行った。測定は木曽馬保存会事務局の中川剛氏のご協力を得て木曽馬の里・乗馬センターにて実施した。木曽馬の里乗馬センターに繋養されている10頭の木曽馬を供試動物として、乗馬経験豊富な騎乗者が騎乗し、直線30メートルの走路上を常歩と速歩で歩行した。馬および騎乗者の胸部に装着した直径7センチメートルのマーカーの動きをハイビジョンデジタルビデオカメラで撮影し、三次元画像解析システムに供するための画像としてSDカードに保存した。また、反応性のテストとして、速歩発進時の撮影を行った。さらに、馬体測定として、体重、体長、体高、胸囲、および管囲を10頭すべてについて測定し、記録した。無事10頭の馬の撮影を終了した後、木曽馬の活用状況および飼育環境などについて中川氏と情報交換した。 また、同じく日本在来馬のうちのひとつである与那国馬でも同様の測定を行った。測定はヨナグニウマふれあい広場代表の久野雅照氏のご協力を得て実施した。ヨナグニウマふれあい広場に繋養されている10頭のヨナグニウマを供試動物として、同様の測定を行い、その結果を記録した。 無事10頭の馬の撮影を終了した後、ヨナグニウマの活用状況および飼育環境などについてヨナグニウマふれあい広場職員と情報交換した。 さらに、木曽馬と与那国馬について、馬あるいは騎乗者の振動波形を自己相関関数の手法を用いて解析し、歩法の左右対称性、規則性、および安定性を算出した。これらの結果を総合的に検討して最大許容負荷重量を推定したところ、木曽馬では120 kg、与那国馬では70 kg未満であると結論づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、1) 馬が正常な歩法を維持できる騎乗者の適正体重、2) 乗用馬としての操作性、および3) ホーストレッキング時の種々のストレッサーに対するストレス応答を大きな柱としている。1) 馬が正常な歩法を維持できる騎乗者の適正体重については、対州馬、木曽馬、および与那国馬で把握できたため、当初計画した目的をほぼ達成した。2) 乗用馬としての操作性については、和種馬を対象として行動解析に加えて心電図測定により自律神経活動を把握することができ、順調に研究が進んでいる。引き続き操作性について行動学的な解析を行う予定である。3) ホーストレッキング時の種々のストレッサーに対するストレス応答については、和種馬を対象として常歩のみによる森林および草原でトレッキングを行ったところ、コースの違い、騎乗者の騎乗技術の違いによるウマのストレスの違いはないことを把握できた。引き続き新たなストレッサー候補を刺激として、ウマのストレス応答を把握するための実験を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにサンプリングしたデータおよび試料の分析を中心として研究を進める予定である。また、これらの成果をまとめ、学会発表や論文作成を推進させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会発表のための旅費と、論文校閲および投稿料のために研究費を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)