2013 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉部位間に香りの差をもたらす香気成分の特定と生成機構の解明
Project/Area Number |
23780276
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
大江 美香 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所畜産物研究領域, 研究員 (90391383)
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Keywords | 筋肉 / 部位 / 香り / 筋線維型 |
Research Abstract |
前年度の結果より、2種類の筋肉(中間広筋および胸最長筋)間において揮発性物質の量に差がみられたことから、その差をもたらす要因として筋線維型に着目して本年度は研究を行った。揮発性物質と筋線維型との関係を明らかにするため、筋線維型構成が異なるとされる5種類の筋肉(中間広筋、横隔膜、大腰筋、胸最長筋、半腱様筋)より揮発性物質を抽出した。揮発性物質の抽出条件は、前年度の検討をふまえ65μm PDMS/DVBのSPMEファイバーを用いた動的ヘッドスペース法により行った。抽出した揮発性物質の同定は、ガスクロマトグラフィー-質量分析(GC/MS)により行った。筋線維型の分析は、ミオシン重鎖の遅筋型アイソフォーム(MyHC-slow)抗体を用いたELISAにより行った。 GC/MSの結果、約100ピークを検出し、標準物質の保持時間およびマススペクトルパターンとの比較により14種類の揮発性物質、すなわち1-pentanal, 1-hexanal, 1-heptanal, 1-octanal, 1-nonanal, 1-pentanol, 1-hexanol, 1-heptanol, 1-octanol, 1-octen-3-ol, 2-penthylfuran, benzaldehyde, trans-2-heptanal, trans-2-octanalを同定した。これら14種類の物質は5種類の筋肉すべてで検出された。また、揮発性物質総量は、半腱様筋および胸最長筋において中間広筋よりも多く、これは速筋型筋線維の割合が多い筋肉(=速筋)では、遅筋型筋線維の割合が多い筋肉(=遅筋)よりも揮発性物質総量が多いという前年度の結果を支持する内容であった。揮発性物質総量とMyHC-slow量との間に有意な相関がみられた(r = -0.56)ことから、揮発性物質総量に対する筋線維型の関与が示された。
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Research Products
(1 results)