2012 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ妊娠におけるエンドセリン1のインパクト:胎盤機能局所調節機構への関与
Project/Area Number |
23780284
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
林 憲悟 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (70563625)
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Keywords | 妊娠 / 胎盤 / ウシ / エンドセリン |
Research Abstract |
1)ウシ妊娠期間中の末梢血中における血管作動性物質分泌動態の解析 人工授精により受胎させたホルスタイン種未経産牛から、妊娠期間を通して月に一度および分娩1カ月後に採血を行い、血中エンドセリン1(ET-1)、アドレノメデュリン(ADM)、アンジオテンシンII濃度を測定した。血中ET-1濃度は妊娠前期から後期にかけて増加し、ADM濃度は妊娠後期で他の時期より高かった。血中動態は胎盤における遺伝子発現動態とほぼ一致しており、胎盤由来の血管作動性物質が末梢血中に反映されていることが示唆された。 2)胎盤外植片培養を用いた、ET-1がウシ胎盤機能調節機構に及ぼす影響の検証 強力な血管収縮因子であるET-1 が、ウシ胎盤局所の血管作動性物質および胎盤ホルモンの遺伝子発現に及ぼす効果を検証するため、妊娠150日齢のウシから採取した胎盤を裁断した外植片に、ET-1単独(0, 1, 10, 100nM)、ET-1+ET受容体Aアンタゴニスト、ET-1+ET受容体Bアンタゴニストをそれぞれ添加し12時間培養した。リアルタイムPCRを用いて、5種類の血管作動性物質のリガンド、合成酵素、受容体および3種類の胎盤ホルモンの遺伝子発現の変化を解析した結果、ET-1は血管作動性物質であるADMとその受容体および内皮型一酸化窒素合成酵素、胎盤ホルモンである胎盤性ラクトジェンおよびプロラクチン関連タンパク質1のmRNA発現を刺激した。これにより、ウシ胎盤の血管緊張や胎盤機能の調節において、1)血管作動性物質は相互作用をしている2)ET-1は胎盤ホルモン分泌に関与している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)