2012 Fiscal Year Research-status Report
骨リモデリングを調節するコンドロイチン硫酸種の同定と機能の解析・骨量の制御
Project/Area Number |
23780293
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
保坂 善真 鳥取大学, 農学部, 准教授 (00337023)
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Keywords | 破骨細胞 / コンドロイチン硫酸 / RANK / RANKL / M-CSF / 水晶電子マイクロバランス法 / 細胞の分化 / CS-E |
Research Abstract |
破骨細胞の分化は、骨芽細胞に由来するRANKLと、破骨細胞前駆細胞の細胞膜上受容体のRANKとが結合することによって誘導される。また、RANKLはRANKと結合することによって分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)を活性化する。さらに破骨細胞前駆細胞の生存にはマクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)が必要とされている。 実験初年度では、破骨細胞分化抑制活性が最も強いコンドロイチン硫酸(CS)はCS-Eであることを明らかにした(CS-A, B, C, DおよびE間での比較)。この結果を受けて、実験2年度目は破骨細胞分化関連因子(RANK、RANKLおよびM-CSF)にCS-Eが作用し、破骨細胞分化を抑制していると考え、CS-Eの結合能を水晶発振子マイクロバランス法を用いて解析した。 測定の結果、CS-EとRANKLとの結合が認められた。また、RANKLよりは弱いもののCS-EとRANKとの結合も認められた。しかし、CS-EとM-CSFとの結合は確認できなかった。これらから、CS-EはRANKあるいはRANKLと結合して、RANK-RANKL結合を阻害することで破骨細胞分化を抑制していると考えられた。また、破骨前駆細胞と蛍光標識CS-Eを反応させたところ、同細胞の表面が標識された。このことは、CS-Eが破骨前駆細胞表面に分布・存在する因子(RANKと推測)と結合していることを示唆する。昨年度の実験では破骨細胞数はCS-E添加によって減少した。しかし、今年度の実験ではCS-EとM-CSFとの結合は確認できなかった。よって、CS-EはM-CSFの機能(破骨細胞前駆細胞の生存)を阻害しないと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した内容におおむね添って実験を行い、CS-EとRANK、または、RANKLと結合することで、破骨細胞の分化を抑制している可能性を明らかにできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
CS-Eを間葉系幹細胞に作用させ、骨芽細胞に分化させる。骨芽細胞が発現・産生する破骨細胞分化関連因子の発現動態をマイクロアレイで網羅的に解析し、CS-Eが骨芽細胞の分化および機能発現に及ぼす影響を解明する。 さらに、CS-Eによって誘導される骨芽細胞活性の亢進と破骨細胞の分化抑制作用を応用して骨増量を試みる。すなわち、骨粗鬆症モデル動物を作成し、動物体内にCS-E担体を注入し骨でCS-Eが惹起する反応を検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(2 results)