2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨リモデリングを調節するコンドロイチン硫酸種の同定と機能の解析・骨量の制御
Project/Area Number |
23780293
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
保坂 善真 鳥取大学, 農学部, 教授 (00337023)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / コンドロイチン硫酸 / 分化 / 骨形成と骨分解 / 骨粗鬆症 / OVXマウス |
Research Abstract |
実験最終年度は、CSの生体内での機能を確認するために骨粗鬆症マウスを実験的に作成した後にCSを投与し骨組織に惹起される反応を検索した。 卵巣摘出および低カルシウムの餌を与えることで骨粗鬆症マウス(OVX)を作成した。OVX処置後一部のマウスにはCS(5mg/kg)を7日ごとに腹腔内に投与し、9週間後に血清および大腿骨を採取した。血清はELISA測定に、骨は形態計測に用いた。 血清中のI型コラーゲン架橋Nテロペプチド(NTx; 破骨細胞の活性マーカー)の値はOVX群では高い値を示し、また、RANKLも有意に高い値を示した。形態学的にも骨梁の面積はOVX群では有意に低い値を示していた。一方、OVXマウスにCSを投与すると(OVX/CS群)、NTxおよびRANKLの値はともにOVX群と比較して低値を示すようになり、また、OVX/CS群の骨梁の面積はSham群とほぼ同値まで回復した。一方で、骨芽細胞の機能を反映するオステオカルシンやALPの値は、OVXの処置、無処置にかかわらず、CS投与によって上昇したことから、CSは骨芽細胞に作用してこれら因子の産生機能を亢進させていると考えられた。 以上よりCSは骨芽細胞の骨形成能を亢進させ、その一方で、破骨細胞の骨分解能を抑制する因子であることが明らかになった。これらから骨粗鬆症の予防や治療にCSが利用できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)