2011 Fiscal Year Research-status Report
イヌ・ラットにおける非侵襲的な臓器血流解析の研究:CT灌流画像解析法の確立
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23780319
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岸本 海織 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50588960)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Perfusion CT / FDG-PET |
Research Abstract |
当初,23年度はヨード造影剤の製剤選択と投与条件の設定,CTの管電圧設定を行う予定であったが,本学設置のCT装置が24年9月に更新されることになったことから,旧機種での設定は行わず,新機種でより高度な解析を行うことを選択した.また,さらなるPerfusion CT解析の客観性および精度向上を目的とし,核医学検査であるPositron Emission Tomography (PET)検査を融合することを選択した.これにより,Perfusion CTによって血流解析を行った臓器について,糖代謝情報をリンクできることになり,組織血流情報の信頼性が向上するとともに,Perfusion CTの用途がさらに広がるものと考えられる.核医学検査は実施可能な施設が限られ,厳密な被ばく管理が必要であるために,現在は汎用性に乏しい.本研究により例えば糖代謝情報とPerfusion CTによる血流情報との相関が得られれば,CT検査によってある程度の推定ができる可能性がある. そのため本年度は,すでに申請者の過去の研究によってアドバンテージのあるPerfusion CTの条件設定は新機種導入を待つこととし,その間,FDGを利用したイヌのPET撮像条件設定を行った.この理由としては,獣医療法施行規則にある.獣医学領域における核医学画像診断検査は,21年の獣医療法施行規則改正によって初めて利用可能となった新しい技術である.そのため,本邦においてイヌの頭部の撮像条件はまったく確立していない.そのため,客観的なデータを得るためにはCT同様の条件設定を新規に作成する必要があった.申請者は,これまでのCTおよびMRI検査の経験からこの条件設定を行うためのプロトコル作製は容易であり,現段階で,ほぼCTとリンクした撮像が可能となっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CTの新機種導入を待たねばならなかったことから,約6ヶ月の遅れが出ている.しかし,総括すれば最先端機種および付属ワークステーションを用いた解析が可能となること,およびPETの利用によって定量性,客観性が向上することから,当初の計画より研究の有意性が大幅に向上したことになる.そのため,マイナス要素とプラス要素双方を鑑み,(2)を選択した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中にFDG-PETの撮像条件設定が完了する.また本年9月にはCTの新機種(64列MDCT)が導入される.そのため9月から64列MDCTによる解像度に合わせたターゲット臓器の設定を開始する.この理由は,申請者がこれまで利用してきた4列MDCTと比較するとさらに細部までの臓器描出が可能となるからである.この検索は24年度中に完成する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Perfusion CTで使用する造影剤,麻酔薬等,当初の計画通りである,またワークステーションのリース代が軽減できたため,これをもってFDG使用料金に充足する予定である,
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