2011 Fiscal Year Research-status Report
シグナル伝達関連分子に着目したイヌアトピー性皮膚炎の新規治療法開発に向けた研究
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23780321
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
柴田 早苗 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教 (20588917)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | イヌアトピー性皮膚炎 / ケラチノサイト / HB-EGF |
Research Abstract |
イヌのアトピー性皮膚炎の免疫病態には、ケモカインであるCCL17/TARCが重要な役割を果たしていると考えられている。イヌケラチノサイトにおいて、CCL17 mRNA転写は主にTNF-αによって誘導されることが明らかになっている。しかしながら,その制御メカニズムは明らかにされていなかった。そこで、イヌADに対するケモカインを標的とした治療法の開発に向けて、ケラチノサイトにおけるTNF-α誘導性CCL17 mRNA転写の制御メカニズムを明らかにすることを目的に研究をおこなってきた。その結果、イヌケラチノサイト細胞株であるCPEKにおけるTNF-α誘導性CCL17 mRNA転写は、p38によって正に、ERKによって負に調節されていることが示唆された。このことから、研究代表者はERKがイヌAD治療の標的分子として有用となりうると考えた。そこで、本研究では、ADにおいて特異的に発現増加あるいは低下しているERK関連分子をAD新規治療法の候補分子とするために、ADと診断されたイヌの皮膚病変部・非病変部および健常皮膚におけるp38、ERKの活性化およびERKの活性化に関与する分子群の発現を比較検討することとした。当該年度においては、EGFファミリーのうち、皮膚において重要な役割を果たすと考えられているHB-EGFに着目して研究を実施した。その結果、ケラチノサイト細胞株に発現していたHB-EGF mRNAのクローニングに成功し、HB-EGF mRNA検出のためのプライマーを作製することができた。また、ヒトHB-EGFに対する抗体がイヌに交差性を示すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日常の小動物臨床業務が想像以上に忙しく、1日のほとんどを臨床に取られているため、研究活動を圧迫している状態です。それに加えて、学部生の卒業研究指導を別のテーマで実施しているため、本研究に当てる時間が限られています。以上のような理由から、研究はやや遅れていると考えられます。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、当該年度に申請者が明らかにしたプライマーおよび抗体を用いて、ケラチノサイトにおけるHB-EGF mRNA発現およびタンパク発現の検出系を構築する。その後、イヌ正常皮膚およびアトピー性皮膚炎罹患イヌの皮膚病変部・非病変部におけるHB-EGF発現について検証する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は375,625円であるが、これは当該年度に設備備品費として申請した超低温フリーザーの金額が予定よりも大幅に下がったことが主な理由である。それに加えて研究はやや遅れている状態であったため、消耗品の購入も予定より少なくなった。次年度には50万円以下の備品や消耗品を購入する予定である。
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