2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780328
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
森 昭博 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 助教 (60549559)
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Keywords | 糖尿病 / 犬 / 運動療法 |
Research Abstract |
本実験では、健常犬(n=4)に対する運動実施前の糖摂取が糖脂質代謝に及ぼす影響を検討した。運動は経口糖負荷試験開始30分後の血中グルコースおよびインスリン濃度が高値を示す時間帯で行った。結果より、血中グルコースおよびインスリン濃度共に高値を示す時間帯での運動実施は、筋への糖取り込み作用とインスリン作用とが合わさり、血中グルコース濃度の急激な低下を引き起こすことが示唆された。また、絶食時の運動は脂肪分解を亢進することがわかった。次に実際に糖尿病犬に運動療法を実施し、その後の血液代謝産物、血糖コントロールマーカーに変化が認められるかを検討した。また骨格筋のバイオプシーを行い遺伝子発現量にどのような影響を及ぼすのかを検討した。空腹時血糖値は4週間の継続運動前後で有意な違いは認められなかったが、二週間の血糖コントロールマーカーである、糖化アルブミンは有意に低下した。また遊離脂肪酸も運動後有意に低下した。インスリンシグナリングおよび糖代謝に関連する遺伝子であるインスリンレセプター基質(IRS)-1および2、およびその下流にあるインスリンシグナリングに関係するタンパク質の発現量、は運動前後で有意な違いは認められなかった。本研究結果より、糖尿病犬における運動療法は血糖コントロールを良化させることがわかったが、そのメカニズムは筋肉における糖取り込みが上昇したといえる証拠は得られなかった。今後はさらに頭数を増やし、運動における糖代謝の変化のメカニズムを検討する必要がある。
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Research Products
(1 results)