2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780329
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
青木 卓磨 麻布大学, 獣医学部, 助教 (70582815)
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Keywords | 弁輪縫縮術 / 腱索再建術 / 僧帽弁閉鎖不全症 / 体外循環 / 犬 / 僧帽弁形成術 |
Research Abstract |
【目的】イヌの僧帽弁粘液腫様変性(以下、MMVD)は、弁尖の肥厚および腱索の伸展/断裂により、僧帽弁閉鎖不全症(以下、MR)が生じる後天性心疾患であり、鬱血性心不全の約75%が本疾患を原因としている。進行性心疾患であることから、薬物による対症的治療には限界があり、近年、ヒトと同様に、イヌにおいてもMRに対する根治的な外科的治療が行われるようになった。しかしながら、多くの報告が経験則に基づく臨床報告であり、実施できる術者および施設が限られている。そこで、現在MRに対する外科的治療の主幹となっている腱索再建術と弁輪縫縮術を中心に、狭小な術野においても簡便かつ迅速に実施可能で、術後合併症の少ない手技を詳細に記述することで外科的治療の普及を目指す。 【研究実施計画および成績】(平成23年)腱索再建術および弁輪縫縮術を簡便化する目的でそれぞれヒトのloop TechniqueおよびKay-Reed法から犬特有の狭小な術野においても使用できるように改良した変法を考案した。これらを正常犬およびMR腱索断裂モデル犬に対して実際に使用し、聴診を含む一般身体検査、胸部X線検査、心臓超音波検査およびカテーテル検査により評価した。いずれの手技も特に大きな合併症を伴うことなく、実施可能であった。(平成24年)平成23年の結果から、実際の自然発症MMVD犬に対して上記の2手技を併用し、実施した。評価は23年度と同様の手技で行った。これらの評価は長期的経過が必要であることから、現在進行中であるが、特に大きな合併症は認められていない。また、当初の目的の通り、これらの手技は狭小な術野においても簡便で、かつ迅速に実施可能であった。しかしながら、これらの統計学的検討にはより多くのサンプル・サイズが必要であり、現在蓄積中である。
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Research Products
(2 results)