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2012 Fiscal Year Research-status Report

植物における細胞壁糖鎖生合成メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23780339
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

小西 照子  琉球大学, 農学部, 准教授 (30433098)

Keywords細胞壁 / クラミドモナス / UDP-アラビノース
Research Abstract

植物の細胞壁糖鎖はUDP-グルコースなどの糖ヌクレオチドを基質とし、糖転移酵素によって合成される。特に細胞壁に含まれるアラビノース残基はUDP-アラビノフラノースを合成基質としており,本基質はUDP-アラビノピラノースムターゼ(UAM)によって生成される。UAMは植物にのみ存在する酵素であり、陸上植物のみならず水中の生物である微細藻類にも存在する。本研究では微細藻類であるクラミドモナスにおけるUAMの役割について研究を進めており、本年度はクラミドモナスを用いて細胞周期とUAMの遺伝子発現の変動について解析を行った。
クラミドモナスの同調培養細胞を調製した。同調細胞は同調化させてから24時間まで培養し、2時間ごとにサンプリングを行った。クラミドモナスは同調化させてから14時間以降でM期に入り細胞分裂が活性化されることがわかった。細胞周期の異なる各サンプルからmRNAを抽出し、それを鋳型として合成したcDNAを用いてリアルタイムPCRを行った。その結果、UAM遺伝子は同調化後2時間後から徐々に増加し、16時間で最大となり0時間の発現量に比べ約6倍であった。その後減少し、22時間後には0時間と同じレベルまで減少した。このことよりUAM遺伝子はG1、G2期より、細胞分裂開始時に高発現することが分かった。また、クラミドモナスにはUAMと同様の触媒を行うUDP-ガラクトピラノースムターゼ(UGM)が存在する。UGM遺伝子の発現解析を行った結果、UAM遺伝子発現の変動と相関がみられた。クラミドモナスではUAMとUGMは同時期に発現していることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

細胞周期の異なるクラミドモナスにおけるUAM遺伝子の発現解析の結果により、UAMがG1、G2期より、細胞分裂開始時に高発現することが分かった。このことより、UAMは細胞分裂により重要であることが示唆された。本年度ではクラミドモナス同調培養の調製、およびUAM遺伝子発現解析を行い、細胞周期におけるUAM遺伝子発現について新たな知見が得られ、本研究はおおむね順調に進展していると言える。今後も計画通り実験を進めていく予定である。ただ、本年度の目的であった形質転換体作出については難航している。

Strategy for Future Research Activity

今後も引き続き細胞周期の異なるクラミドモナスを用いて研究を行う。本年度はUAMおよびUGM遺伝子の発現解析を行ったが、今後はUDP-キシロース合成酵素など他の糖ヌクレオチド合成関連酵素遺伝子の発現解析を行う。同時に同調細胞より糖ヌクレオチドを抽出、定量する。糖ヌクレオチド合成酵素遺伝子の発現解析および糖ヌクレオチドの変動を調べることで、細胞周期や細胞の成長と細胞壁合成の関係を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度は同調化させた細胞の各ステージにおけるUAMおよびUGM以外の10の糖ヌクレオチド合成酵素遺伝子の発現解析を行う。リアルタイムPCRを行うため、平成25年度の研究費はRNA抽出、cDNA合成、およびリアルタイムPCRを行うための試薬、そして糖ヌクレオチドを分析するための分析カラムなどの購入に使用する予定である。また、形質転換体作出のため、薬剤(ゼオシン)が必要であり、その購入のためにも使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Extraction of beta-1,3 xylan from green seaweed, Caulerpa lentillifera,2012

    • Author(s)
      Teruko Konishi, Ikuko Nakata, Yuto Miyagi, Masakuni Tako
    • Journal Title

      J. Appl. Glycosci.

      Volume: 59 Pages: 161-163

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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