2012 Fiscal Year Annual Research Report
不斉記憶型反応を用いる新規アミノ酸とアミノ酸由来天然物の合成
Project/Area Number |
23790010
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 智之 京都大学, 化学研究所, 助教 (20432320)
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Keywords | 不斉記憶 / 天然物合成 / ハイブリッド型アミノ酸 |
Research Abstract |
1)アスパラギン酸ーグルタミン酸ハイブリッド型アミノ酸の合成。前年までに,フェニルアラニン,バリン,トリプトファン誘導体から不斉記憶型分子内共役付加反応を用いてβーラクタムを合成し,その開環反応を行うことで,上記3種類のアミノ酸からアスパラギン酸ーグルタミン酸ハイブリッド型アミノ酸誘導体の合成に成功した。今回,側鎖に水酸基やチオール基を有し,それを足がかりとして種々の誘導体合成が可能であるセリン,スレオニン,システインに対して反応を検討した。これら3種のアミノ酸をエステル化,N-PMB 化,N-アシル化を順次行い,4-exo-trig 型環化の基質を合成した。これに対し,アセトニトリル中ヘキサフルオロイソプロパノール存在下,塩基炭酸セシウムで処理することで分子内不斉記憶型共役付加反応が進行し,いずれの基質も90% ee 以上の高い光学純度でアスパラギン酸ーグルタミン酸ハイブリッド型アミノ酸が分子内保護されたβーラクタムとして得られた。 2)不斉記憶型分子間共役付加反応の開発。アラニン誘導体とデヒドロアラニン誘導体の分子間不斉記憶型共役付加反応により,マンザシジン A の全合成を達成していた。そこで,今年度は,本反応の適応限界と非天然型マンザシジン C の全合成を行うべく研究を展開した。その結果,本反応はアラニン誘導体以外にフェニルアラニン誘導体,バリン誘導体,ロイシン誘導体,メチオニン誘導体を用いても良好に進行することが分かった。また,アラニン誘導体とデヒドロアラニン誘導体の分子間共役付加で得られた2種のジアステレオマーの一方を用いて13工程で非天然型マンザシジン C の全合成も達成した。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Protonation-Assisted Conjugate Addition of Enolate: Asymmetric Synthesis of Multisubstituted-β-Lactams from α-Amino Acids via Memory of Chirality2012
Author(s)
Yoshimura, T; Takuwa, M.; Tomohara, K.; Uyama, M.; Hayashi, K.; Yang, P.; Hyakutake, R.; Sasamori, T.; Tokitoh, N.; Kawabata, T.
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Journal Title
Chem. E. J.
Volume: 18
Pages: 15330-15336
DOI
Peer Reviewed
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