2013 Fiscal Year Annual Research Report
ワンポット縮合‐酸化反応を利用する実用的含窒素複素環合成とその応用
Project/Area Number |
23790011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 健一 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70532068)
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Keywords | 複素環化学 / ワンポット反応 / 酸化反応 / アミナール |
Research Abstract |
含窒素複素環化合物は生物活性化合物中に多く含まれる構造単位であるだけでなく、合成化学や材料化学をはじめ様々な用途に利用されているため、その効率的合成法の開発は重要である。本申請研究では、含窒素複素環化合物の効率的で実用的な合成法の開発を目指すと共に、その応用研究に取り組んでいる。 ケトンを基質とするワンポット縮合‐酸化反応について検討し、シクロブタノンと様々なジアミンからハロアミナールの転移反応を経て2環式アミジンを効率よく合成する手法の開発に成功した。本反応は、ハロアミナールの転移反応を経て進行するこれまでに例のない反応であり、有機塩基として有用なDBN型のアミジンや様々な生物活性を持つことが知られている3,4‐ジヒドロキナゾリン類も合成できる一般性の高い手法である。さらに、シクロブタノンの様に歪の大きいケトンを用いなくても、溶媒にトリフルオロエタノールを用いることで転位反応が速やかに進行することを見出した。 また、既に報告している新規オキサゾール合成法の応用として取り組んでいる、2006年に単離された強力な細胞毒性を持つ19員環マクロライドであるレイオデライドAの全合成研究を23年度から最終年度にかけて実施した。すなわち、開発した手法を利用したオキサゾールの効率合成を経て、レイオデライドAの13位メチル基のα体とβ体の両ジアステレオマーの合成に成功した。 さらに、イミダゾリンケミストリーの展開としてとして取り組んでいるC3対称トリスイミダゾリンの有機触媒としての利用に関して、触媒的不斉ブロモ化反応が末端オレフィンだけでなく内部オレフィンを持つ基質にも適用できることを明らかにし、本法を利用して天然物タニコリドの全合成に成功した。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Selective Formation of Trans/threo/cis and Cis/threo/cis Bis-tetrahydrofurans from the Same Diene Diols2014
Author(s)
Fujioka, Hiromichi; Oki, Tomohiro; Hayashi, Tatsuya; Yamakawa, Maki; Kurachi, Takeshi; Nakahara, Kenji; Maehata, Ryota; Hamada, Tomohito; Murai, Kenichi; Kita, Yasuyuki
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Journal Title
Heterocycles
Volume: 88
Pages: 1323-1336
DOI
Peer Reviewed
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