2013 Fiscal Year Annual Research Report
非活性化型炭素-水素結合の直接的求核的活性化を基盤とする触媒的不斉付加反応の開発
Project/Area Number |
23790014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森本 浩之 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (20593867)
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Keywords | 炭素ー水素結合活性化 / 遷移金属触媒 / 不斉反応 / アルキニル化 / 環境調和型反応 / アミノ酸誘導体 / 不斉四置換炭素構築 |
Research Abstract |
本研究は、非活性化型炭素-水素結合の直接的求核的活性化を活用した(1)アルキン及び(2)電子不足型芳香族化合物の触媒的不斉付加反応の開発、及び(3)その各種生理活性物質合成への応用を目的とする。このうち、平成25年度は(1)前年度までの結果を踏まえ、詳細な反応機構の解析および基質適用範囲の拡大を目指した検討、および(2)触媒系の確立を目標に検討を行った。 本年度の検討の結果、以下の内容を明らかにした。まず、(1)については、トリフルオロピルビン酸由来のイミンについて、詳細な触媒反応機構解析を行った結果、アセチリド錯体が触媒活性種として機能することを見いだした。この触媒活性種を用いることで、従来より反応時間を1/40程度にまで短縮することができ、より低温での反応も可能とした。さらに、本触媒活性種を活用することで、従来反応性に乏しかった他のケトイミン類についても良好な収率およびエナンチオ選択性にて目的の不斉四置換炭素含有αアミノ酸誘導体を得ることに成功した。以上の結果は、従来不明であった触媒反応機構を明らかにすることにより反応性の大幅な改善を実現した点、および既存の触媒系では困難であった不斉四置換炭素含有αアミノ酸誘導体を効率的に合成する新たな手法を確立した点で興味深い。なお、(2)については種々の検討を行ったものの現在の触媒系では実現が困難であったが、(1)で得られた知見を活用することで今後も実現に向けて検討を続けていく。
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Research Products
(15 results)