2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロアラインの酸化還元変換による反応位置制御法の開発
Project/Area Number |
23790017
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
井川 貴詞 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20453061)
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Keywords | ピリダイン / イソキノリン / Diels-Alder反応 / 位置選択性 / ケイ素官能基 / フラン / 複素環 / カップリング |
Research Abstract |
イソキノリン類は様々な生物活性物質に見出される重要な複素環化合物であり、その合成法は古くから盛んに研究されてきた。中でも、3,4-ピリダインと置換フランとのDiels-Alder反応は、イソキノリン骨格を一挙に構築できる魅力的な反応であるが、その位置選択性に問題があった。一方、当研究室ではシリルベンザインと置換フランのDiels-Alder反応がシリル基によって高位置選択的に進行することを見出し、ナフタレン骨格の有用な構築法を開発した。 まず、2位にトリアルキルシリル基又はトリアルキルスタニル基を有する3,4-ピリダインをデザインし、その発生法の開発に取り組んだ。ピリダイン前駆体及び反応条件を種々検討した結果、3-ブロモピリジンから2工程で収率良く合成した前駆体を置換フラン存在下、MeCN中60 ℃でCsFと反応させると、3,4-ピリダインが発生し、すぐにDiels-Alder反応を起こし、環化体distal-付加体を選択的かつ収率よく与えた。また、フラン2位の置換基がかさ高くなると位置選択性が顕著に向上し、distal-付加体のみを与えた。一方、同条件下、2位無置換3,4-ピリダインを発生させた場合には、2種の位置異性体を1 : 1の比で生じ、また、低収率であった。従って、シリル基やスタニル基は位置選択性だけでなく収率の向上にも寄与していることがわかった。続いて、distal-付加体にFe2(CO)9やTMSOTfと反応させて芳香化を行い、イソキノリンを得た。また、シリル基を利用する変換によって、1位に多様な官能基を有するイソキノリンを合成することができた。多置換イソキノリンの新規合成法である本法は、今後、様々な応用が期待できる。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Generation of 3-Borylbenzynes, Their Regioselective Diels-Alder Reactions, and Theoretical Analysis2013
Author(s)
Takagi Akira, Ikawa Takashi, Kurita Yurio, Saito Kozumo, Azechi Kenji, Egi Masahiro, Itoh Yuji, Tokiwa Hiroaki, Kita Yasuyuki, Akai Shuji
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 69
Pages: 4338-4352
DOI
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