2012 Fiscal Year Research-status Report
有機金属の酸化による極性転換反応を基盤とした多結合一挙形成法の開発
Project/Area Number |
23790029
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
山本 康友 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (10452278)
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Keywords | 酸化 / 極性転換 / 多成分反応 / 複素環 |
Research Abstract |
有機金属の酸化による反応活性種の極性転換を基盤とした、多結合一挙形成法の開発が研究目的である。有機金属に代表されるアニオン種は不飽和カルボニル等の電子不足な二重結合へ付加して炭素-炭素結合を形成出来るのに対し、アニオン種を酸化して生じるラジカル種やカチオン種は、ビニルエーテル等の電子豊富な二重結合と反応できる。アニオン種からラジカル・カチオン種への変換が自在に制御できれば、理論上全ての二重結合への付加反応が可能となる。①有機金属の求核付加、②酸化による極性転換、③生じた求電子活性種の付加反応をカスケード化させ、多結合・多不斉点一挙構築反応の開発を行う。平成24年度は以下を計画・実行した。 1. アルケニルマグネシウムブロミドをアルデヒドへ付加させ、生じた中間体マグネシウムアルコキシドに対して酸化剤を加えると、ブロモエーテル化反応がワンポットで進行することを見出した。 2. ケトンへのアルケニルマグネシウムブロミドの付加を開始反応とするワンポットブロモエーテル化反応も可能であった。この方法により4級炭素を含むTHF環を容易に構築できる。 3. アルケニルマグネシウムクロリド、およびヨージドのアルデヒドへの付加を開始反応とするワンポットクロロエーテル化、ヨードエーテル化も達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルケニルマグネシウムブロミドのアルデヒドへの付加-タンデム酸化反応によるワンポットブロモエーテル化環化反応を開発した。本反応は他のハロゲンを有したGrignard反応剤を用いたワンポットハロ環化反応にも適用可能であった。交付申請書記載の平成24年度研究実施計画をほぼ達成しており、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 環化反応による不斉四級炭素の立体選択的構築を検討する。 2. 亜鉛、アルミニウム等の金属化合物についても酸化反応を行い、炭素、窒素、酸素各原子のアニオン種から求電子活性種を発生させる最適な金属を探索する。金属のLewis酸性の違いによる官能基選択的な結合形成反応の開発も視野に入れる 3. 窒素求核剤の付加から開始されるタンデム環化反応を行う。当研究室で開発したリチウムアミドのAza-Michael反応ののち、生じたエノラートの分子内オレフィンへの付加による環化を行う。Aza-Michael反応の不斉化による多不斉点の一挙構築も検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究を遂行するには、厳密な無水条件下で反応を行うためのガラス器具、脱水溶媒、金属試薬等が必要不可欠である。合成実験・反応開発が主であるので、研究費は主に消耗品に充てる。研究成果発表のための出張旅費にも研究費を使用する予定である。
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Research Products
(11 results)