2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属の酸化による極性転換反応を基盤とした多結合一挙形成法の開発
Project/Area Number |
23790029
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
山本 康友 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (10452278)
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Keywords | 酸化 / 極性転換 / 多成分反応 / 複素環 |
Research Abstract |
有機金属の酸化による反応活性種の極性転換を基盤とした、多結合一挙形成法の開発が研究目的である。有機金属に代表されるアニオン種は不飽和カルボニル等の電子不足な二重結合へ付加して炭素-炭素結合を形成出来るのに対し、アニオン種を酸化して生じるラジカル種やカチオン種は、ビニルエーテル等の電子豊富な二重結合と反応できる。アニオン種からラジカル・カチオン種への変換が自在に制御できれば、理論上全ての二重結合への付加反応が可能となる。①有機金属の求核付加、②酸化による極性転換、③生じた求電子活性種の付加反応をカスケード化させ、多結合・多不斉点一挙構築反応の開発を行う。平成25年度は以下を計画・実行した。 1. アルケニルマグネシウムブロミドをアゾジカルボキシレートへ付加させ、生じた中間体マグネシウムアミドを超原子価ヨウ素酸化剤を加えると、分子内ブロモアミノ化反応が進行し、ピラゾリジン骨格を一挙に構築できた。 2. 昨年度までに実施したワンポット環化は主に5-exo環化反応だったため、アルキル鎖の鎖長を変えて3-7員環の構築を検討した。3,4,7員構築では望みの環化体が得られなかったものの、6-exo環化反応は効率よく進行した。 3. オレフィン末端に置換を導入すると、5-exo環化よりも6-endo環化が優先することが分かった。この結果より、環化反応の際にブロモニウム中間体が生じていることが示唆された。
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Research Products
(5 results)