2012 Fiscal Year Annual Research Report
超解像多光子顕微鏡による機能特化細胞の膜動態イメージング
Project/Area Number |
23790039
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
日比 輝正 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (50554292)
|
Keywords | イメージング / 破骨細胞 / 脂肪細胞 / 膜動態 |
Research Abstract |
生体内で様々に分化し専門的役割を担う「機能特化細胞」では、細胞内小胞輸送や膜融合の系をその機能として用いている細胞が多く見られるが、生理的に働くためには、その膜動態の厳密な制御が必要と考えられ、これまでに提案されている一般的な膜動態とは異なるメカニズムを有していることが考えられる。本研究は、個々の細胞が持つ特殊な膜動態システムを明らかにしていくことを目指し、破骨細胞と脂肪細胞という2種類の特殊な細胞に標的を絞り、細胞内膜動態の可視化解析を行なうものである。H23年度には、発現プラスミドの準備、細胞の分化誘導条件の改善、および可視化解析のための顕微鏡周りの整備を行なった。H24年度には、これらを用いることにより、それぞれの細胞における小胞輸送のタイムラプス観察に成功した。画像解析ソフトウェアを用い、得られた経時的画像中の多数の小胞の動きを解析することにより、小胞の変移量と速さの変化についての詳細を計測可能になった。但し本研究においては1個1個の小胞の平均的な動きについては十分に追跡できる速さだったが、一部で非常に高速かつ直線的な動きをする場合もあり、正確な小胞の動態を把握するには、更なる観察系の改良が必要であることも明らかとなった。そこで観察に用いる顕微鏡について更なる改良を行ない、その結果、高いxy方向の空間分解能と深い被写界深度を併せ持つlight needle顕微鏡の開発に成功した(論文投稿中)。これまでに構築した培養細胞の可視化系とこの改良イメージング法を組み合わせることで、既存の方法では解析できなかった膜動態についても計測・解析を行なうことが可能になるため、今後も追加の測定を行なうことにより、各種機能特化細胞における膜動態における種々の物理量を把握でき、膜動態の分子メカニズム解明に貢献できるものと考えている。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] IMPROVEMENT OF THE SPATIAL RESOLUTION IN TWO-PHOTON MICROSCOPY WITH A VECTOR BEAM GENERATED BY LIQUID CRYSTAL DEVICES2012
Author(s)
Sari Ipponjima, Terumasa Hibi, Yuichi Kozawa, Hibiki Horanai, Aya Sato, Makoto Kurihara, Nobuyuki Hashimoto, Hiroyuki Yokoyama, Shunichi Sato, Tomomi Nemoto
Organizer
Focus on Microscopy 2012
Place of Presentation
Suntec Singapore International Convention & Exhibition centre(Singapore, Singapore)
Year and Date
20120401-20120404
-
-
-