2012 Fiscal Year Annual Research Report
FF Hybridプローブを用いた遺伝子発現の高感度,高精度,網羅的解析法の開発
Project/Area Number |
23790061
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
轟木 堅一郎 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (70341451)
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Keywords | 遺伝子解析 / HPLC / フルオラスケミストリー |
Research Abstract |
遺伝子発現量解析用プローブとして,オリゴDNAの両端に親フッ素性のフルオラスタグと蛍光物質フルオレセイン(FAM)を付加したFF hybridプローブを新たに開発した。本プローブとサーマルサイクラー,そしてフルオラスHPLC-蛍光検出システムを組み合せることで,既存のリアルタイムPCRと比較して感度,精度,網羅性に優れた遺伝子発現解析法を確立した。平成24年度は,(1)7種類のサイトカイン(IL-1ra,IL-β,IL-5,IL-10,IL-13,TNF-α,IFN-γ)遺伝子解析用FF hybridプローブの合成,(2)同プローブ群を用いた各種条件(PCR反応条件,HPLC分離条件など)設定,(3)ヒト血管内皮培養細胞(HMEC1 cells)のLPS刺激によるサイトカイン遺伝子群が豊富に発現した試料の調製(4)(3)の試料を用いたサイトカイン遺伝子群の網羅的検出を実施した。 その結果,FF hybridプローブの添加により,各遺伝子のcDNA量とPCR反応サイクル数に応じたリンカー長さの異なる7種類のFAM標識モノヌクレオチド(AMP,CMP,TMP)がそれぞれ遊離された。これらのHPLC-蛍光検出による分析結果をもとに,増幅サイクル数と蛍光強度の関係をプロットすることで,リアルタイムPCRと同様の増幅曲線を描けた。しかしながら,HMEC1細胞試料からは,一部のサイトカイン遺伝子しか検出されず,並行して実施したリアルタイムPCRの結果からもその発現量が極めて低値であることが示唆された。今後,ヒト血球試料などを用いた研究を更に実施する必要であると考えられた。本法はプローブの構造を変えることでさらに多くの遺伝子量を同時定量することが可能であり,臨床化学分野などへの応用が期待できる。
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Research Products
(22 results)