2011 Fiscal Year Research-status Report
自然・獲得両免疫系の連携におけるTYK2の役割の解明
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23790067
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
室本 竜太 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (30455597)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | TYK2 / 炎症 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究は免疫応答制御や恒常性維持に重要な自然免疫細胞からの炎症性サイトカイン産生に着目し、この過程におけるJAKチロシンキナーゼTyk2の生理的役割と制御機構解明を目的とする。平成23年度はTyk2欠損マウスを用い現在までに国内外で未検討であった種々の病態モデルについて解析し、ヘルパーT細胞のサブセットTh1細胞やTh17細胞と関連するさまざまな炎症病態(メチル化BSA誘導性遅延型過敏症、イミキモド誘導性乾癬様皮膚炎症、2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸誘導性大腸炎、デキストラン硫酸ナトリウム誘導性大腸炎、抗II型コラーゲン抗体誘発関節炎)の形成にTyk2が寄与することが明らかとなった。この成果は炎症促進におけるTyk2の役割がこれまで推定されていた以上に多岐にわたることを示唆する。デキストラン硫酸ナトリウム誘導性大腸炎やマウス抗II型コラーゲン抗体誘発関節炎モデルはリンパ球機能に非依存的な疾患モデルであるとの報告もあることから、Tyk2が自然免疫細胞等において炎症促進に寄与する未知メカニズムの存在が示唆される。またグラム陽性菌P.acnes死菌をマウスに腹腔内投与することで誘発される以下の炎症応答がTyk2欠損マウスで抑制されることが判明した。すなわちP.acnes投与後の腹腔内急性炎症反応(炎症性サイトカインTNF-alpha並びにIL-6産生、好中球滲出)、血清中IFN-gamma増加、肝臓内肉芽種形成反応が抑制された。以上の結果よりTyk2が生体内における炎症応答促進に寄与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの解析により生体内の炎症応答促進にTyk2が寄与することを示すことができたと考えられるため、計画は概ね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
炎症性サイトカイン産生応答においてTyk2が促進的役割をもつことが判明したが、この過程における制御機構の詳細は不明である。今後はTyk2が特に影響を及ぼす標的遺伝子特定や、Tyk2自身に対する機能制御機構の解明を目指し解析を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「収支状況報告書」の「次年度使用額」が46,398円であるがこれについては平成23年度に実施した細胞内タンパク質の発現量及び局在性解析実験に関する消耗品の支払に使用する。
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[Journal Article] Krüppel-associated box-associated protein 1 negatively regulates TNF-α-induced NF-κB transcriptional activity by influencing the interactions among STAT3, p300, and NF-κB/p65.2011
Author(s)
Kamitani S, Togi S, Ikeda O, Nakasuji M, Sakauchi A, Sekine Y, Muromoto R, Oritani K, Matsuda T.
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Journal Title
J Immunol.
Volume: 187
Pages: 2476-2483
DOI
Peer Reviewed
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