2012 Fiscal Year Annual Research Report
X11Lカルボキシル基末端の構造変化機構と生理的意義の解明
Project/Area Number |
23790069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 有紀 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (70548180)
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Keywords | APP / アルツハイマー病 / X11 |
Research Abstract |
X11ファミリータンパク質(X11、X11L、X11L2)のカルボキシル基(C)末端にはタンパク質相互作用ドメインとして知られるPTBドメインと2つのPDZドメインが高度に保存されている。このC末端の高度に保存された領域の構造変化は、結合タンパク質との相互作用変化を誘導すること、この構造変化がC末端のリン酸化により誘導される可能性をこれまでに明らかにしてきた。この構造変化はX11ファミリータンパク質結合分子の一つでありアルツハイマー病の原因遺伝子の一つであるアミロイド前駆体タンパク質(APP)との結合変化を引き起こすことから、X11ファミリータンパク質によるAPP代謝制御機構を解明する上でX11LのC末端の構造変化とその生理機能の解明を行うことは重要である。 本研究では、X11LのC末端の構造変化とその生理機能の解明を目的に、X11L-C末端の構造変化を誘導するkinaseの同定を行った。実際にマウス脳内に存在するkinaseによりX11L-C末端のリン酸化が起きることを精製X11Lタンパク質と脳抽出液を反応させることで確認した。次に、kinase library中の脳内に発現が確認されているkinaseを用い、X11Lタンパク質のリン酸化が亢進されるkinaseの同定を試み、数種類のkinaseを同定することができた。これらの解析と平行し、X11Lタンパク質のC末端構造変化を模した変異X11Lを作製し、APP代謝に与える影響を野生型X11Lと比較した。その結果、野生型X11Lで認められるAPP代謝安定化効果が、変異X11Lでは認められなくなることを明らかにした。また、他のX11L結合タンパク質との結合変化も変異X11Lで変動していることを明らかにした。
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Research Products
(7 results)