2011 Fiscal Year Research-status Report
質量分析計を用いたアシル基多様性から紐解くホスホイノシタイドの生理機能解析
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23790074
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中西 広樹 秋田大学, バイオサイエンス教育・研究センター, 助教 (10466740)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 質量分析 / ホスホイノシタイド |
Research Abstract |
本研究は、質量分析計を用いてホスホイノシタイド解析の新しい分析技術を開発し、基質が同じにもかかわらず異なる表現型を示す代謝酵素欠損マウスのホスホイノシタイド分子種を解析することで、アシル基の多様性による特有の生理機能を解明することを目的としている。具体的には、生体微量成分であるホスホイノシタイドを生体試料から高回収可能な抽出方法を確立し、さらに、個別分子特異的測定法(選択反応モニタリング法)を用いて、定性・定量解析系を開発する。当初の研究計画にのっとり、実験を進め、以下の成果が上がった。・生体試料からの高回収抽出法と吸着低減防止策の確立:陰イオン交換カラム(DEAEセルロースカラム)を用いてホスホイノシタイド画分を高回収した。さらに、リン酸基の影響による不安定性(吸着と分解)と低イオン化効率を改善するためにリン酸基にメチル化処理を施した。これにより、吸着・分解を大幅に防ぐことが可能となった。・個別分子特異的測定法を用いた高感度測定の確立:標準化合物を用いて測定パラメーターの最適化を進めた。さらに、個別分子特異的測定法を用いることで高いシグナル/ノイズ比での高感度測定が可能となった。定量下限はPIP1・PIP2で1 fmol、PIP3で5 fmolであった。適用例として、確立した分析系を用いて様々な培養細胞やマウス臓器におけるPIPsを解析したところ、その量と質(分子種)に差異が存在することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
生体試料からの抽出方法ならびに質量分析計を用いた高感度定性・定量解析系の確立は、順調に進展している。さらに、確立した分析系を用いた生体試料への適用では、当初の計画以上に進展がみられている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が、当初の計画以上に進展しているため、研究計画で予定している異なる表現型を示すPIP3脱リン酸化酵素PTENとSHIP1の欠損マウスを用いたPIP3のアシル基の差異の検討を進めるほか、他の代謝酵素遺伝子改変マウスについてもホスホイノシタイドの質的・量的変化の解析ならびに機能解析を進めることを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験を円滑に進行するために物品費・消耗品費として700,000円ならびに技術補佐員への人件費・謝金700,000円を計上する。さらに、得られた成果を発表するための旅費として100,000円を計上する。その他100,000円を含め、合計1,600,000円(直接経費)をもって研究目標を達成する。
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Research Products
(9 results)