2012 Fiscal Year Annual Research Report
核内受容体のノンゲノミックファンクションを介した血管新生・腫瘍形成抑制機構の解析
Project/Area Number |
23790075
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
仲島 由佳 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40399499)
|
Keywords | 分子生物学 / 血管新生 / 腫瘍形成 / エストロゲン受容体 |
Research Abstract |
・ERβとKLF5を介して血管新生を抑制するGS-1405最適化化合物の設計と評価 1)in silicoによるGS-1405最適化化合物の設計:これまでにERβの結晶構造に基づいたin silicoシミュレーションによってERβとGS-1405の結合様式の予測を行った結果、GS-1405はERβのGlu 305とArg 346と水素結合を形成していることが予測された。この結合がGS-1405のKLF5活性抑制に関与しているのかどうかを確かめるために305番目のグルタミン酸をアラニンに置換した変異型ERβを用いたルシフェラーゼアッセイを行った。その結果、GS-1405によるERβ依存的なKLF5の転写活性化能の抑制効果は変異体により軽減された。 2)GS-1405最適化化合物の評価:in silico予測を含むGS-1405最適化化合物のKLF5の転写活性化能に対する作用を検討した。その結果、いくつかの最適化化合物はKLF5の転写活性化能に対して強い抑制能を示すことが明らかになった。さらに、KLF5の下流因子であり血管新生に関与するPDGFAの転写への影響を検討した結果、これらの化合物により、PDGFAの転写が抑制されることが明らかになった。 ・ERβのnon-genomic functionを抑制する化合物のスクリーニング これまでの報告から、ERbはそのnon-genomic functionにより、HIF-1αによる VEGFの転写を制御している可能性が考えられる。そこで、HIF-1αの転写に対する作用を測定するためのHIF-1の応答配列を挿入したレポータープラスミドを構築し、低酸素により誘導されるHIF-1を介した転写の活性化が検出できることを確認した。さらに、この系を用いたスクリーニングを行った結果、8種類のHIF-1活性を抑制する化合物を単離することが出来た。
|
Research Products
(2 results)