2012 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳動物細胞核に局在化する長いノンコーディングRNAによる転写制御機構の解明
Project/Area Number |
23790077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 准教授 (40294962)
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Keywords | RNA |
Research Abstract |
MALAT1は高転移性がん細胞で発現が上昇しているノンコーディングRNAとして見出された(Ji, P. et al. (2003) Oncogene, 22, 8031-8041)。しかしながら、がん細胞の転移能力の獲得にMALAT1が直接寄与しているか、あるいは細胞のがん化・高転移化に伴って副次的に発現が上昇しただけなのかは不明であった。そこで申請者は、がん細胞の転移に影響する様々な細胞機能(運動性、接着性など)にMALAT1が影響するかを系統的に検索した。その結果、細胞運動に関連する遺伝子群の転写制御を通じて、MALAT1が細胞運動性を促進する機能を持つことを明らかにした(Tano K. et al., FEBS letters, in press)。すなわち、(1)RNA干渉法でMALAT1の発現量を減少させることでがん細胞の運動性が非常に低下すること、(2)MALAT1が細胞運動を促進する遺伝子(HMMR、LYN、CTHRC1など)の転写を制御していることを見出した。本研究では、上記の独自の知見を元に、MALAT1による転写制御機構を分子レベルで明らかにする。研究の結果、MALAT1がp53遺伝子のプロモーターに作用し、p53遺伝子の転写制御を担っていることが判明した。
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