2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790082
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
溝口 博之 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (70402568)
|
Keywords | 意思決定 / 薬物依存症 / 覚せい剤 / ギャンブル試験 |
Research Abstract |
薬物依存者の意思決定障害が薬物乱用の原因であるか、あるいは薬物依存の結果として意思決定に障害が生じたのかは不明である。本研究では、①げっ歯類の意思決定行動試験(ギャンブリング試験)の確立、②薬物依存症モデル動物の意思決定障害の証明、③リスク志向性と依存症との関係、④意思決定に関わる神経回路の同定、⑤同神経回路の神経活性に対する依存性薬物の効果について検討した。その結果、本ギャンブルテストにおいて、正常ラットは報酬の獲得確率と報酬価に依存してアームを選択する事が示唆された。ヒトを対象としたIOWA ギャンブルテストにおいて、健常者はリスクや損失を回避し、最終的に報酬を効率良く獲得するための行動を選択すると報告されている。したがって、本研究課題で開発した小動物用ギャンブルテストはげっ歯類の意思決定を解析することができる行動試験法として有用であり、正常ラットの場合、ヒトと同様にリスクや損失を回避し、報酬を効率良く獲得するための行動を選択することが示唆された。一方、覚せい剤依存ラットではハイリスク・ハイリターンを好むことが示された(近視眼的意思決定)。これは、予期せぬ報酬や罰に対して、過剰な反応を示すことによることが分かった。また、この近視眼的意思決定には皮質-線条体経路の異常な活性化が関与する可能性を見出した。
|
Research Products
(3 results)