2012 Fiscal Year Annual Research Report
線維素溶解系因子uPARによる炎症性骨破壊発症制御機構の解明
Project/Area Number |
23790107
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
菅野 陽介 同志社女子大学, 薬学部, 助教 (40416178)
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Keywords | LPS / uPAR / osteoblasts / osteoclasts |
Research Abstract |
成熟破骨細胞へ分化するためには、骨芽細胞が産生するreceptor activator of NF-κB ligand(RANKL)が、破骨細胞が発現するRANKに結合することが必要である。しかしながら、近年、炎症によって、RANKL/RANKを介さずに、骨吸収が誘導されることが報告されている。歯周病の原因菌であるグラム陰性細菌細胞壁成分のリポ多糖(Lipopolysaccharide; LPS)やTNF-α、IL-1などの炎症性サイトカインが、骨吸収を強力に誘導することが報告されている。このメカニズムは、LPSや炎症性サイトカインによって細胞内に伝達されたシグナルが、NF-κBを活性化させることによって、破骨細胞の分化を誘導させるためであると考えられている。更にLPSや炎症性サイトカインは、骨芽細胞にも作用し、RANKLの産生を誘導することも知られている。2011年度は、主に破骨細胞に着目し研究を行い、LPSによってuPARの発現が誘導されること及びLPSが誘導する細胞内シグナル伝達をuPARがuPA,integrin,LRPとの結合を介して制御していることを明らかにした。2012年度は、骨芽細胞に着目し、炎症による刺激によって誘導されるRANKL産生機構にuPARがどのように関わっているのかを明らかにするために野生型及びuPARの遺伝子欠損マウスから採取したカルバリアより骨芽細胞の初代培養を行い、それぞれの骨芽細胞におけるRANKL産生能の違いを検証した。その結果、uPARの欠損している骨芽細胞では、炎症によって誘導されるRANKLは、顕著に抑制された。骨芽細胞においてもuPARが欠損していると炎症によって誘導される細胞内シグナル伝達は抑制され、uPARは、骨芽細胞が惹起する骨破壊にも関与していることが実証された。
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Research Products
(6 results)