2012 Fiscal Year Annual Research Report
CERTとVAPの相互作用を制御するメカニズムの解明
Project/Area Number |
23790118
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
熊谷 圭悟 国立感染症研究所, 細胞化学部, 主任研究官 (40443105)
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Keywords | セラミド / 脂質輸送 / リン酸化 |
Research Abstract |
セラミド輸送タンパク質CERTはセラミドを小胞体膜からゴルジ体膜へと輸送する脂質輸送タンパク質である。 CERTはN末にPHドメイン、C末にSTARTドメインを有し、それ以外の領域(中間領域)はセラミド輸送活性の制御等に関与していると考えられている。 これまでに申請者らは、中間領域の一部(SR領域)が多重リン酸化された時にCERTのセラミド輸送活性は不活化され、逆にSR領域が脱リン酸化された時には活性化されること等を報告してきた。 更に、我々はSR領域に関する研究の過程で、他のリン酸化サイト(領域X)による活性制御を推測させる研究結果を得ていた。 本研究では、新たに見つかった領域Xのリン酸化による活性制御の解明を目指した。 本研究に対する助成期間中に申請者らは以下の点を明らかにした。 まず、この領域Xのリン酸化が通常の培養細胞条件下で、様々な細胞において普遍的に見られるリン酸化であることを確認した。 また、領域Xのリン酸化によってCERTとVAP間の相互作用が著しく高まること、それによって、細胞内でのセラミド輸送活性が大幅に増強されることを明らかにした。 領域Xのリン酸化によるセラミド輸送活性促進効果は、SR領域を脱リン酸化させた時と匹敵する程の変動があり、領域Xのリン酸化修飾もSR領域同様、CERTの活性制御に重要な役割を果たしていると考えられた。 領域Xのリン酸化を担うキナーゼの同定を試みたが、同定には至らなかった。 一方、領域Xのリン酸化修飾によって、CERTがER膜を含む興味深い構造体を形成することを明らかにし、その構造体のキャラクタリゼーションを進めた。
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Research Products
(4 results)