2013 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドット標識による高感度蛍光プローブの簡便合成法の開発
Project/Area Number |
23790131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 健司 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (20531817)
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Keywords | 蛍光プローブ / ボンクレキン酸 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
蛍光標識化した生体作用分子(蛍光プローブ)を用いた蛍光イメージング研究は、創薬研究や生命科学の発展に大きく貢献しているが、高感度で特異性の高い蛍光プローブの創製は容易ではない。本研究では、申請者が独自に開発した量子ドット標識法を活用し、高感度蛍光プローブ合成法としての有用性および実用性を検証する事により、本法の確立を目指す。これまで、ボンクレキン酸(BKA)の蛍光標識化を目的に構造活性相関研究を展開し、BKAの構造を単純化した炭素鎖を有するトリカルボン酸誘導体がBKAと同様にアポトーシス阻害活性を示す事を見出した。これら新規誘導体はBKAより短工程で合成でき精製も容易なことから、入手容易なBKAの代替化合物として期待できる。そこで本年度は、蛍光基など機能性置換基導入の足場としてベンゼン環を組み込んだ配座固定型BKA誘導体を分子設計、合成した。ヨウ素化ベンゼン体に対し園頭カップリングで側鎖を導入し、水素還元、高井反応、そして鈴木-宮浦カップリングに付すことによりBKA誘導体の効率的な合成を達成した。そして、スタウロスポリン誘導アポトーシス阻害試験により活性評価を行ったところ、BKAより低濃度でアポトーシス阻害活性を示すことが分かった。今回新たに見出した配座固定型BKA誘導体は、蛍光プローブを開発する上で有効であるだけでなく、合成容易なアポトーシス阻害剤のリード化合物として期待できる。
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