2012 Fiscal Year Annual Research Report
糖部4’位に置換基を有するヌクレオシド誘導体の新規合成法の開発と生物活性評価
Project/Area Number |
23790141
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
窪田 豊 昭和大学, 薬学部, 助教 (50365714)
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Keywords | ヌクレオシド誘導体 / 抗ウイルス化合物 |
Research Abstract |
申請者は新規抗ウイルス剤及び抗腫瘍剤の創生を目的とし、糖部4'位に置換基を有するコルジセピン誘導体の合成法の開発を行った。その鍵段階として、申請者が見出したオレフィンに対するヒドロフェニルスルファニル化を用いることにした。 出発原料としてアデノシンを用い、既知の方法により3',4'-不飽和アデノシン誘導体を調整した。引き続き、塩化メチレン中、NISの存在下、チオフェノールを反応させた。反応は3分で完了し、79%の収率で糖部4'位にフェニルスルファニル基を有する誘導体をジアステレオマーの混合物として得ることができた。本反応のメカニズムを調べる目的で、種々の添加物や試薬の当量数を精査したところ、反応活性種としてのヨウ化水素の存在が考えられた。加えて、反応の立体選択性を調べる目的で重水素化したチオフェノールを用い、上記の反応を行った。得られた生成物は4種の混合物であり、プロトンNMRの測定結果から、反応機構の詳細を解明することに成功した。 得られた4'位フェニルスルファニル体の官能基変換を検討した。初めにアルコキシ基の導入を行った。NBSの存在下、種々のアルコールを反応させることで様々な4'位アルコシキコルジセピン誘導体を合成することができた。また、アルコールの代わりにフッ素化剤であるDASTを用いることで4'位フッ素体の合成にも成功した。引き続きラジカル的なアルキル基の導入を検討した。その結果、アリル基及びシアノエチル基を導入を達成した。更なるアルキル基の導入を目指し、スルファニル基の酸化により得られるスルホニル基を基質に用い有機アルミニウム試薬による求核置換反応を行った。反応は円滑に進行し、様々なアルキル基の導入に成功した。 これまでに得られた4'位置換コルジセピン誘導体の脱保護を行い、生物活性の測定を行ったところ、抗ウイルス活性を有する化合物を見出すことに成功した。
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