2011 Fiscal Year Research-status Report
新規難聴モデルマウスを用いた、環境ストレスに対する内耳の防御機構の解析
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23790160
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大神 信孝 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (80424919)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ラセン神経節 / 内耳 / 難聴 |
Research Abstract |
【研究目的】神経成長因子の受容体であるc-RETチロシンキナーゼは神経の成長や維持を制御する事、ヒルシュスプラング病を最も高頻度に発症する原因遺伝子として報告されている。我々はc-RETの点変異は先天性の感音性難聴が誘発される事をヒトレベルの解析で突き止め、更に、c-Ret-ホモ型ノックイン(Y1062F/Y1062F)マウス [c-Ret-KI (YF/YF)マウス]を用いた解析により、c-Ret分子機能(リン酸化レベル)が重度に低下すると先天性の感音性難聴を誘発することを明らかにしてきた(Ohgami et al., PNAS 2010)。一方、Ret分子機能が"軽度に"低下したc-Ret-ヘテロ型ノックイン(Y1062F/+)マウス [c-Ret-KI (YF/+)マウス] は、先天性のHSCR病の表現型を示さない事が報告されているが、内耳のc-Ret活性は部分的に低下している可能性がある為、c-Ret-KI (YF/+)マウスも何らかの聴力異常を伴うのではないか、との仮説を立てた。そこで本研究では、c-Ret-KI (YF/+)マウスの聴力レベルの推移を測定し、c-Retの活性レベルと加齢性難聴の関連を解析した。【研究成果】c-Ret-KI (YF/+)マウスを用い、c-Ret分子機能の部分的低下が加齢性の感音性難聴を誘発すること、逆にその機能を遺伝子改変技術により増強すると加齢性の難聴を軽減できる事が分かった(Ohgami et al., Neurobiol Aging 2011)。【意義】c-Retが聴力制御遺伝子である事を示す本研究成果は、環境ストレスと関連する難聴の予知・予防法の開発、およびc-RETを標的とした分子治療法に道を開くものであると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
内耳の聴神経系の維持および防御的に働くチロシンキナーゼの役割を個体レベルで明らかにし、その成果を3報の主著論文と3報の共著論文に発表出来た為。
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Strategy for Future Research Activity |
内耳の聴神経系の維持に関わる分子群の発現・活性を制御出来る化合物の選定をマウスレベルで進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度および今年度の研究費の繰り越し分を併せた研究費は、マウスに投与した化合物の作用機序の解析に必要な一般試薬、マウスの維持管理費、及び、聴覚系の病理解析に必要な形態解析試薬等に使用する予定である。
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