2012 Fiscal Year Annual Research Report
ソラフェニブ誘発性肝障害における早期予測マーカーの探索
Project/Area Number |
23790169
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 裕之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50588978)
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Keywords | 抗癌剤 |
Research Abstract |
本研究では、細胞毒性発現とソラフェニブ未変化体及び代謝物の動態プロファイルとの関連性を明らかにし、ソラフェニブ投与時に生じる肝障害の早期予測マーカーの探索を目的としている。今年度は、培養細胞内及び培養液中のソラフェニブ、ソラフェニブN-オキサイドの濃度を測定するために、測定系の構築を行った。培養細胞内のプロトコールは、細胞1000000個に対し、リン酸緩衝液(pH 7.5)350 μL、ISであるトルナフテートを150μL添加し、ホモジナイズ、超音波破砕を行った。遠心分離後、上清をアセトニトリル200 μLにより除タンパク操作を行った。遠心分離後、上清300 μLに水75 μLを加え、そのうちの250 μLをBond Elut C18により不純物との分離を行った。溶出画分を窒素気流下で乾固させ、移動相100 μLにて再溶解させ、HPLCで測定を行った。その結果、ソラフェニブ及びソラフェニブN-オキサイドそれぞれで、0.03-30 μg/mLの範囲で良好な直線性が得られた。また、日内及び日間変動試験を行った結果、RSD、REが±15%以内であった。 培地中ソラフェニブ及びソラフェニブN-オキサイドの濃度は、まず培地500 μLに酢酸エチルに溶解したトルナフテートを1 mL添加した。遠心分離後、有機相を窒素気流下で乾固させ、移動相で溶解後HPLCで測定を行った。その結果、ソラフェニブ及びソラフェニブN-オキサイドそれぞれで、0.1-30 μg/mLの範囲で良好な直線性が得られた。また、日内及び日間変動試験を行った結果、RSD、REが±15%以内であった。 23年度までの結果からソラフェニブの肝障害発現にはCYP3A4の関与が予測されたため、CYP3A4過剰発現アデノウイルスベクターの構築を行っている。
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