2012 Fiscal Year Research-status Report
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23790176
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
石田 和也 富山大学, 大学院医学薬学研究部(薬学), 助教 (90550509)
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Keywords | 薬物動態 / トランスポーター / 臨床試験 |
Research Abstract |
核酸類似構造を有するミゾリビンの免疫抑制作用は血中濃度と密接に関連するが、経口投与後の薬物血中濃度にはきわめて大きな個体差が存在する。ミゾリビンは生体内でほとんど代謝を受けず主に腎臓から排泄されるため、患者の腎機能が体内動態の変動要因と考えられてきた。一方近年、ミゾリビンの累積尿中排泄率にも大きな個体差があることが報告され、消化管吸収の不良が体内動態変動の別要因として認識されつつある。申請者は、培養ヒト腸上皮LS180細胞を用いた検討において、何らかの排出トランスポーターがミゾリビンの吸収障壁として機能しているとの知見を得ている。本研究では、ミゾリビンの排出トランスポーターを同定するとともに、健常成人およびミゾリビンを服用中の患者を対象とした臨床試験を実施し、ミゾリビンの消化管吸収率の個体差に及ぼす吸収・排出トランスポーターの遺伝的多型の影響などを検討することを目的とした。平成24年度は、concentravie nucleoside transporter (CNT) 1および2を強制発現させた細胞を用いて取り込み実験を行い、ミゾリビンは低親和性ながらもCNT1とCNT2の両方によって取り込まれることが明らかとなった。また、健常成人を対象とした臨床試験を実施し、ミゾリビンの消化管吸収率に及ぼす食塩摂取の影響を検討した。その結果、ミゾリビンの消化管吸収率は食塩摂取によって有意に増加し、食塩摂取量によって消化管吸収が変化する可能性があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果を原著論文に纏め公表するとともに、学会発表を行ったことから、本年度の研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ミゾリビンの消化管吸収率はCNT1の遺伝的多型の影響を受けることが明らかとなっているが、ミゾリビンの体内動態の個体差を全て説明することはできない。一方、申請者の検討において、ミゾリビンは何らかの排出トランスポーターによって細胞外へ能動的に排出されることが明らかとなっている。今後は特定の排出トランスポーターを過剰発現された培養細胞やその膜ベシクルを用いてミゾリビンの排出トランスポーターの同定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度の研究はおおむね順調に進展したが、183円の次年度使用額が生じた。次年度の研究費は、遺伝子診断、薬物定量、および培養細胞等を用いた基礎実験を行うための消耗品の購入に充てる予定である。
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