2011 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチをモデルとした局所型新規遺伝子医薬品の開発
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23790186
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兒玉 幸修 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50448510)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子デリバリー / メトトレキサート / 関節リウマチ |
Research Abstract |
TNFαやIL-6のsiRNAをコードしたpDNAと高分子カチオンの複合体にメトトレキサート(MTX)を被膜したダブルターゲティングの新規デリバリーシステムの開発を目的とした。モデルとしてホタルルシフェラーゼをコードしたpDNA (pCMV-Luc)とカチオン性高分子であるpolyethylenimine (PEI)のpDNA/PEI複合体(PEI複合体)を調製した。さらに、PEI複合体にMTXを様々な電荷比で静電的に自己組織化させることでpDNA/PEI/MTX複合体(MXT複合体)の調製を行った。各成分の混合比と調製プロセスを最適化することで、安定な微粒子を構築することに成功した。 作製したMTX複合体はin vitroにおいて、PEI複合体に匹敵する高い遺伝子発現効果を示した。また、MTXあるいは葉酸と共存させて遺伝子導入効率を検討した結果、非共存時と比較して有意に遺伝子発現は低下した。さらに、各種エンドサイトーシス阻害剤(クロルプロマジン、ゲニステイン、アミロライド)と共存させた結果、ゲニステインと共存させた場合に遺伝子発現効果が有意に低下した。これらの結果より、MTX複合体は葉酸受容体と結合し、カベオラ介在性のエンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれることが示唆された。また、PEI複合体では強い赤血球凝集が観察されたのに対し、MTX複合体では観察されなかった。ddY系雄性マウスに各複合体を静脈内投与し、6 時間後の肝臓、腎臓、脾臓、心臓、肺における遺伝子発現量を測定した。PGA複合体の肝臓、脾臓における遺伝子発現量はPEI複合体と比較して有意に高かった。 以上のように、我々は本年度の研究によって、MTX被膜型遺伝子ベクターの開発に成功した。これらの結果は、関節リウマチをモデルとした局所型新規遺伝子医薬品の開発に有益な基礎的情報であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた平成23年度の研究実施計画をほぼ達成しているため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も、当初予定していた研究計画に従い研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度配分が予定されている研究費については、消耗品費(100万円)および旅費(10万円)として使用する予定である。また、平成23年度の繰越は高額なsiRNAの購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)