2012 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチをモデルとした局所型新規遺伝子医薬品の開発
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23790186
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兒玉 幸修 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50448510)
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Keywords | 遺伝子デリバリー / メトトレキサート / 関節リウマチ |
Research Abstract |
関節リウマチに関与する炎症性サイトカインのsiRNAをコードしたpDNAとカチオン性高分子との複合体にメトトレキサート(MTX)を被膜した複合体を構築することで、遺伝子と薬物をダブルターゲティングできる新規デリバリーシステムの開発を目的とした。前年度、pDNA、カチオン性高分子、MTXの混合比と調製プロセスを最適化することで、安定なアニオン性の微粒子(MTX複合体)を構築することに成功した。 本年度は、慢性関節リウマチ患者由来ヒト滑膜細胞(HFLS-RA)を使用して、MTX複合体の細胞内取り込みおよび遺伝子発現効果を検討した。まず、GFPをコードしたpDNA、蛍光標識したpolyethylenimine、およびMTXでMTX複合体を作製し、細胞内取り込みを蛍光顕微鏡下で観察した。その結果、HFLS-RAにおいても細胞内取り込みが観察された。また、ホタルルシフェラーゼをコードしたpDNAでMTX複合体を作製し、遺伝子導入効率を検討した結果、HFLS-RA細胞においても1×108 (RLU/mg protein)を超える高い遺伝子発現を示した。 以上のように、我々は本年度の研究によって、MTX被膜型遺伝子ベクターは関節リウマチ由来の滑膜細胞への遺伝子導入が可能であることを明らかにした。これらの結果は、関節リウマチをモデルとした局所型新規遺伝子医薬品の開発に有益な基礎的情報であると考えられる。来年度は、関節リウマチのモデル動物を作製し、MTX被膜型遺伝子ベクターの薬理効果について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた平成24年度の研究実施計画をほぼ達成しているため、概ね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も、当初予定していた研究計画に従い研究を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度配分が予定されている研究費については、消耗品費(80万円)および旅費(10万円)として使用する予定である。また、平成24年度の繰り越しは高額なsiRNA発現pDNAの作製費に使用する予定である。
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