2012 Fiscal Year Annual Research Report
ABC輸送体活性・発現制御機構の解明と創薬基盤の構築
Project/Area Number |
23790196
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
片山 和浩 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (40406963)
|
Keywords | P-糖タンパク質 / ユビキチン化 / FBXO15 / Ube2r1 / PP5 / PPP2R3C |
Research Abstract |
免疫沈降-MALDI-TOF/MSにより、P-糖タンパク質(P-gp)のC-末端の結合タンパク質としてFBXO15およびprotein phosphatase 2, regulatory subunit B, gamma(PPP2R3C)を同定した。当該研究では、P-gpの発現や機能におけるそれらの影響について調べた。 FBXO15はユビキチンE3リガーゼ複合体(SCF[Fbx15])の構成因子であることから、FBXO15を介したP-gpの分解について検討した。FBXO15はP-gpと結合すること、FBXO15をノックダウンするとP-gpのユビキチン化が抑制され、発現が増大すること、さらにビンクリスチンに対する感受性が低下することを平成23年度に報告した。平成24年度はSCF[Fbx15]が介在するP-gpのユビキチン化タンパク質を探索し、Ube2r1を同定した。Ube2r1のノックダウンはP-gpのユビキチン化を抑制し、P-gpの発現を増大させた。以上よりP-gpのユビキチン化の構図を完成し、論文報告するに至った。 PPP2R3Cはprotein phosphatase (PP) 2AやPP5の活性制御サブユニットである。平成23年度までにPPP2R3CとPP5はP-gpのC-末端と共沈すること、それらのノックダウンによりP-gp発現が増加することを報告した。PP2AはP-gpと共沈しなかった。平成24年度はPP5/PPP2R3CをノックダウンするとP-gpの基質であるrhodamine 123の排出が亢進すること、ビンクリスチンやドキソルビシンに対する感受性が低下することを突き止めた。よって、PP5/PPP2R3C複合体はP-gpの負の制御因子であることを明らかした。 以上のように、当該研究ではP-gpの分解機構と発現制御機構の解明において成果を挙げることができた。
|
Research Products
(12 results)