2013 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌の定量的プロテオーム解析に基づく創薬ターゲットの発現変動機序解明
Project/Area Number |
23790209
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
中村 任 姫路獨協大学, 薬学部, 教授 (80379411)
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Keywords | 腎癌 |
Research Abstract |
腎癌の病態の進展には癌抑制遺伝子であるvon-Hippel-Lindaw (VHL) 遺伝子の変異が関与していることが知られている。同遺伝子の変異により低酸素応答性転写因子の安定化が起こり、血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) 等の転写活性化による癌細胞の増殖が引き起こされると考えられている。申請者らはこれまでに VHL 非依存的にVEGFの遺伝子発現が変動することを報告しているが、詳細については不明な点も多い。本年度も引き続き、ヒト腎癌由来細胞を用いてVHL 非依存的に低酸素応答性に関連する因子について検討を行った。実験には、ヒト腎癌由来細胞としてRCC4 (-) 細胞 (VHL -/-)およびRCC4 (+) 細胞 (VHL +/+)を用いた。文献調査等に基づきVHLの発現の有無によって発現パターンに差異の認められたタンパク質について、申請者らが既にヒト腎癌摘除検体の癌部と非癌部においてタンパク質発現量に差異を認めたタンパク質との比較検討を行い、候補タンパク質としてRNA結合蛋白質(hnRNP A2/B1)を選出した。同タンパク質について、1% O2 の低酸素条件下において培養した細胞よりタンパク質の抽出を行い、Western-blot 法を用いてタンパク質発現量を評価した。その結果、低酸素培養開始8時間後におけるhnRNP A2/B1のタンパク質発現量は、RCC4 (+) 細胞と比較してRCC4 (-) 細胞における発現の上昇がより顕著であった。したがって、腎癌におけるhnRNP A2/B1の発現上昇にはVHL非依存的な低酸素応答が関与するものと考えられた。
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[Journal Article] TNF-α -857C>T genotype is predictive of clinical response after treatment with definitive 5-fluorouracil/cisplatin-based chemoradiotherapy in Japanese patients with esophageal squamous cell carcinoma.2013
Author(s)
H. Omatsu, A. Kuwahara, M. Yamamori, M. Fujita, T. Okuno, I. Miki, T. Tamura, K. Nishiguchi, N. Okamura, T. Nakamura, T. Azuma, T. Hirano, K. Ozawa, M. Hirai.
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Journal Title
Int J Med Sci.
Volume: 10
Pages: 1755-1760
DOI
Peer Reviewed
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