2012 Fiscal Year Annual Research Report
小児の発育に伴う薬物代謝酵素の活性変動と薬理効果を考慮した最適な医薬品投与設計
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23790212
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田山 剛崇 広島国際大学, 薬学部, 講師 (80389121)
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Keywords | developmental change / metabolic enzyme / children / xanthine oxidase / aldehyde oxidase |
Research Abstract |
Allopurinolは小児薬物領域において、抗腫瘍剤投与による高尿酸血症治療に汎用されている。このallopurinolはxanthine oxidase (XO)およびaldehyde oxidase (AO)により、強力なXO阻害活性をもつoxypurinolへと酸化代謝される。Allopurinol酸化代謝に及ぼす発育の影響をin vitroにて検討した。 発育に伴うAOおよびXO活性変動を検討した。3週齢ラットのAO活性は成獣の47.8%、XO活性は23.5%であった。 成獣に対する3週齢ラットのallopurinol酸化代謝活性は、およそ22.0% (3週齢: 2059 nM/60 min, 6週齢: 9199 nM/ 60 min)であった(添加したallopurinol濃度: 62.5 μM)。その際、薬理効果の指標であるratio of xanthine (RX値): xanthine/(xanthine+hypoxanthine)は、3週齢において0.76、6週齢 0.56であった。代謝物であるoxypurinol増加に伴い、XO活性の低下が認められた。 次に、XO特異的阻害剤であるfebuxostat、AO特異的阻害剤であるraloxifeneを用いて、allopurinol酸化活性(% of control)におけるAO寄与度を検討した。3週齢におけるAO寄与度は18.0%、6週齢は80.7%であった。Allopurinol代謝におけるAOの寄与度は、発育に伴い、大きく異なることが示された。 一方、RX値は3、6週齢ともにAO活性阻害時と非阻害時との間に差は認められなかった。この要因として、検討を行ったoxypurinol産生はそのXOに対するKi(50 nM)よりも高値であったためと考えられる。今後、臨床濃度での検討が必要と考えられる。
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