2012 Fiscal Year Annual Research Report
レトロトランスポゾンの抑制に関与する新規遺伝子Cue110の機能解析
Project/Area Number |
23790225
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
能村 卓慈 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任研究員 (10506231)
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Keywords | レトロトランスポゾン / 生殖細胞 / piRNA pathway |
Research Abstract |
マウス胎児期精巣におけるレトロトランスポゾン抑制機構は、piRNA増幅系(MILIが関与し、sense, antisense piRNAが相補性を利用して増幅される過程)を経て、核へ輸送され(MWI2が関与する過程)、piRNA配列と相同な領域のメチル化により発現抑制する過程であると考えられている。この過程のいずれかで異常が起こるとレトロトランスポゾンの抑制不全になる。これまでの我々のデータは、CUE110はこの過程のどこかで重要な働きをしていることを示している。 24年度では、1)CUE110の欠失がpiRNA生成に影響を及ぼすか否か、及ぼすならばその変化はどのようなものか、2)CUE110タンパク質と直接相互作用するタンパク質を解析した。1)に関しては、CUE110-/-および+/-マウスのE17.5精巣からRNAを抽出し、Small RNAsのDeep sequencingを行った。その結果、MILIに結合するpiRNAに変化はないものの、MIWI2に結合するpiRNAは減少または消失している可能性が示唆された。この結果は、CUE110はpiRNA をMILIからMIWI2へ受け渡す際に必須な役割を果たしている可能性を示している。この結果を追認するために、CUE110-/-および+/-マウスのE17.5精巣からMIWI2に結合するpiRNAを精製し、2者の比較を行っている。2)に関しては、piRNA pathwayで働くタンパク質とCUE110の結合を培養細胞での強制発現系にて解析した。CUE110の局在解析においては、CUE110はMIWI2、TDRD9、MAELなどと結合することが予想されたが、実際に結合を示せたのはTDRD9のみであった。1)の結果と合わせて考察すると、CUE110はTDRD9を介してMIWI2の機能に影響を与えている可能性が考えられる。
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