2011 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経系におけるstathmin1の生理機能と機能調節機構の解明
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23790227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山田 浩平 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 助教 (50588879)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | stathmin1 / 神経発生 / 脳形成 / 細胞骨格 / 周産期 / リン酸化 |
Research Abstract |
研究代表者は平成23年度申請書上の研究実施計画に基づき、1. 中枢におけるstathmin1の発現分布、発現量の検討、さらにはstathmin1の新規機能の解析を目的に2. mouse embryonic fibroblast(以下MEF)のiN細胞化へのstathmin1の関与の検討を行った。マウス脳におけるsttahmin1の発達段階における発現部位を同定するため、胎生期10、12、14、18、生後1、2、4、8、12週齢のマウス凍結脳スライスを作製し、in situ hybridization法を用いることでスライス上でstathmin1のmRNAの発現を検出した。その結果、stathmin1は胎生期と成獣期では大脳皮質での発現分布が異なること、また、胎生期には扁桃体での発現が高いことを明らかとした。さらに、stathmin1は出生に向けて発現量が高くなりその後徐々に低下していくことが明らかとなった。マウスの神経初代培養細胞を用いstathmin1のリン酸化の有無とその変遷を検討したところ、stathmin1は培養3日目をピークにリン酸化を受けていた。神経初代培養細胞でのstathmin1のリン酸化はNGF、BDNF、NT-3等の受容体の阻害剤であるk252aを神経初代培養に添加したところstathmin1のリン酸化の消失が観察された。一方で、stathmin1もしくはAscl1をMEFへトランスフェクトしMEFのiN化を神経特異的なマーカーであるTuj1を指標に検討している。プレリミナリーな結果ではあるが、stathmin1をMEFに導入するとTuj1の発現の増加が確認されている。 これらの結果はstathmin1に関するこれまでにない結果であり、中枢におけるstathmin1の新たな機能解析を行う上で非常に重要な結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者は研究目的達成のため今年度の研究計画として、1 発達段階での中枢におけるstathmin1のタンパク質、mRNAの発現分布の解析、2 発達段階での中枢におけるstathmin1のタンパク質、mRNAの発現量の解析、3 stathmin1をリン酸化する刺激の同定、4 stathmin1のiN化への関与の検討を掲げていた。1、2に関しては当初の予定通り進んだ。3に関してはtrkレセプターの阻害剤であるk252a添加実験により、stathmin1のリン酸化にtrkが関与ところまでは検討した。また4に関してはプレリミナリーではあるがstathmin1のiN化への関与が示唆される結果を得ている。以上から、完全に研究計画通りに進んでいるわけではないが、おおむね今年度研究計画の90%程度を終えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究計画はおおむね90%の達成となってしまったため、次年度はまず前年度の遅れを取り戻すよう努める。しかし、研究計画に大きな変更はなく、次年度は研究計画の達成を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更は無く、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(3 results)