2013 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体前葉細胞を用いた3次元培養法の開発とその応用
Project/Area Number |
23790233
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
塚田 岳大 自治医科大学, 医学部, 助教 (50596210)
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Keywords | 下垂体前葉 / 濾胞星状細胞 / 3次元培養 / 細胞外マトリックス / コラーゲン / ラミニン / 組織構築 |
Research Abstract |
本研究は、下垂体前葉細胞を用いた3次元培養法の確立とその培養法を用いた下垂体前葉細胞の機能解析の2つを目的としている。3次元培養法は、より生体に近い条件で細胞を培養することができるため、これまで主流であった2次元培養法ではわからない生命現象を捉えることができると考えている。 平成23-24年度にかけて、3次元培養法の基礎的なデータをまとめ、国際誌へ投稿したが、雑誌編集長から3次元培養の方法論についていくつか検証(追加実験)するよう指摘があった。平成25年前半は、新しいデータを加え論文を改訂し、国際誌(Acta Histochemica et Cytochemica)に再投稿した。論文は7月に受理されている。 平成25年後半は、 3次元培養を用いて下垂体前葉細胞のひとつである濾胞星状細胞(FS)細胞の機能解析を行った。この実験には、S100b-GFP遺伝子組換えラットを用いた。このラットはFS細胞にGFPが発現するため、FS細胞を他種の下垂体前葉細胞から蛍光標識細胞分取法で分離することができる。下垂体前葉細胞からFS細胞のみを取り除いて細胞培養すると、コラーゲン合成や基底膜の主成分であるラミニンの放出が著しく減少することがわかった。 FS細胞が下垂体前葉内の細胞外マトリックスの合成や放出に関与しているという報告は本研究が初めてである。 このうち、コラーゲン調節に関するデータは、2013年6月にサンフランシスコで行われた国際内分泌学会でポスター発表を行った。ラミニン放出に関するデータは、2014年6月にシカゴで行われる国際内分泌学会で発表予定である。
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