2011 Fiscal Year Research-status Report
排他的に発現する分子を、協調的に発現している抑制性神経細胞の由来特定
Project/Area Number |
23790237
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金谷 繁明 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (50424180)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 抑制性神経細胞 / 細胞移動 / 大脳皮質 |
Research Abstract |
大脳皮質抑制性神経細胞は主に腹側終脳の基底核原基にて誕生し、接線方向移動(tangential migration)をして大脳皮質に到達する。基底核原基のうち、内側基底核原基(MGE)、尾側基底核原基(CGE)が大脳皮質抑制性神経細胞の主なソースであり、主にMGE細胞はLhx6、CGE細胞はCOUP-TFIIを発現する。近年、マウスモデルを用いた研究により、間脳の一部である視索前野(POa)からも抑制性神経細胞が由来することが報告されている(Gelman et al., 2009)。POaは遺伝子発現様式により背側POaと腹側POaに分けられるが、腹側POaに発現するDbx1転写因子に由来する抑制性神経細胞が、5層に由来する多くの抑制性神経細胞がDbx1由来であることが示され、それらは胎生11日目付近で産生されることが示された(Gelman et al., 2011)。しかしPOaに由来する大脳皮質抑制性神経細胞が移動中にどのような分子を発現し、どのような移動様式や移動メカニズムを取るかはほとんど知られていない。我々はMGEとCGEの両方のマーカーである(Lhx6、COUP-TFII)を発現する細胞群(M-CGE細胞)がPOaに由来していることを突き止めたことから、POa内でのM-CGE細胞の由来を詳細に解析した。局所遺伝子導入法にて腹側POaにのみ遺伝子導入をして腹側POa由来細胞を解析したところ、この領域から由来する細胞のほとんどがLhx6/COUP-TFII二重陽性であることを突き止めた。さらに背側POa由来の細胞ではLhx6/COUP-TFII二重陽性の割合が少ないことから、腹側POaがM-CGE細胞の主なソースと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究でM-CGE細胞の由来を突き止めることができたが、生後のM-CGE細胞のCOUP-TFIIの発現変動については解析を進めることが難しかった。この理由はPOaへ限局した子宮内胎児電気穿孔法(研究課題申請時では申請者のみ可能)が技術的に高度で成功確率が低い状態であったことから、生後の解析を行うための十分な研究試料をえることができなかったためである。またPOa由来細胞の移動様式の解析が十分でなかったため、POaに限局して遺伝子導入が出来た試料と出来なかった試料との区別をすることが難しかったことも一因としてあった(生後では遺伝子導入部位はほぼ見えなくなってしまうため、細胞の分布で遺伝子導入部位を判断する必要がある)。この問題を解決するため、今年度我々はPOa由来細胞の移動解析を詳細に行った。その結果POa由来細胞の移動パターンとPOa以外からの細胞移動パターンとが明確に区別できるようになり、実験の成功確率を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年5月から国外留学をするため、次年度は研究廃止申請をした。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年5月から国外留学をするため、次年度は研究廃止申請をした。
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Research Products
(4 results)