2012 Fiscal Year Research-status Report
新生仔期の尿細管ミトコンドリア内膜におけるMaxi-Kチャネルとアポトーシス抑制
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23790241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
風間 逸郎 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60593978)
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Keywords | イオンチャネル |
Research Abstract |
本研究ではまず、新生仔期の近位尿細管細胞ミトコンドリア内膜における、Maxi-Kチャネルの存在を確認するために、生後0~7日目の新生仔マウスの腎臓から皮質領域を切り出し、機械的処理および酵素処理を施した後、遠心法により近位尿細管セグメントを分離した。さらに、単離した近位尿細管細胞からミトコンドリア内膜の標本 (ミトプラスト)を作成し、パッチクランプ法を行った。その結果、Maxi-Kチャネルを示唆するような電流応答が得られず、新生仔期の近位尿細管細胞ミトコンドリア内膜からだけでは、十分な量のMaxi-Kチャネルが得られない可能性が考えられた。そこで、生後0~7日目の新生仔マウスの腎臓から皮質領域と髄質領域とを切り分け、Real time PCR法を用いてMaxi-KチャネルのmRNA発現状態を調べた。その結果、皮質領域に比べ、外髄質領域においてMaxi-Kチャネルの発現が有意に高かったことから、近位尿細管のみならず、ヘンレ上行脚や集合管細胞のミトコンドリアについても対象に加えるべきと考えられた。尚、これまでに明らかにした内容については、英文雑誌に発表した(Kazama I, Maruyama Y. Inner Mitochondrial Maxi-K+ Channels in Neonatal Renal Tubular Cells: Novel Therapeutic Targets to Control Apoptosis. Medical Hypothesis, 78, pp800-801, 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を遂行することにより、ミトプラストの作成法や、それに対する特殊なパッチクランプ法の手技に精通することができた。これまでに行ってきた研究により、新生仔近位尿細管ミトコンドリア内膜上におけるMaxi-Kチャネルについては、電気生理学的な同定は困難であることが予想されたが、これまでに明らかにした内容については、英文雑誌に発表することができた(Kazama I, Maruyama Y. Inner Mitochondrial Maxi-K+ Channels in Neonatal Renal Tubular Cells: Novel Therapeutic Targets to Control Apoptosis. Medical Hypothesis, 78, pp800-801, 2012)。 一方、上記の研究と平行して行なった研究の結果、Maxi-Kチャネルの発現とは対照的に、同じ電位依存性KチャネルのひとつであるKv1.3については、胎生期の早い時期から、マウス腎臓における発現がみられた。実際、発生腎より単離した細胞に対し、パッチクランプ法を行った結果、このチャネルの存在を示唆する電位依存性の電流応答が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終目標は、発生腎の分化・増殖過程におけるKチャネルの関与を明らかにすることである。従って、今後、ミトコンドリア内膜におけるMaxi-Kチャネルの解析が難しければ、対象を他の電位依存性Kチャネルに変更して、引き続き研究を進め、その生理的意義について明らかにしてゆく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)